メニュー



今日も朝から暑い!暑い!いよいよ最終日となったROCK IN JAPANのGRASS STAGE。トップバッターはPUFFY。既にスタンディング・エリアいっぱいのお客さんたちのもとに、川西幸一(Dr)をはじめとするバンドのメンバーが登場(そういえば川西は昨晩ユニコーンでトリやって今朝のトップバッターなのだ)、続いて亜美と由美がステージへ。お揃いの白いトップスはふんわりしてるが、その存在感、堂々としたオーラは何だか凄い。
強烈な日差しの中、二人は声を重ね合わせて“海へと”からライヴをスタート。しっかりとオーディエンスの心を掴んだら、バンドのダイナミズムを爆発させるようにアグレッシヴな“Hi Hi”へ。二人はステージ左右に分かれてオーディエンスを煽り、サウンドの渦の中で大胆な声を放つ。PUFFYのロック魂を序盤から見せつけられる。しかしイントロから期待の手拍子が鳴り響いた“愛のしるし”ではスタンドマイクでキュートな振り付けを交えながら歌う彼女たちにパン・パパン・フー!のアイドル的な声援がわき起こる。この振り幅こそがPUFFYの魅力だ。
「実は今年が15周年なんですよ」と由美。「新旧織り交ぜながら聴いてください」ということで、“これが私の生きる道”から“サーキットの娘”と初期のヒット曲を連発。ゆったりのんびとした曲調の“これが私の生きる道”では二人が交互にブルースハープを奏でればGRASS STAGEは数万人規模の「イイ感じ」に!通算31枚目のシングルとして今月リリースされる“SWEET DROPS”では優しく柔らかなヴォーカルで繊細なアプローチながら、曲の途中で自然と手拍子が沸き起こるなど、新曲でもガッチリとコミュニケーションが取れている。
もちろん“アジアの純真”も完璧な盛り上がりだったが、朝から鮮烈なハイライトとなったのは“渚にまつわるエトセトラ”。ステージにダンサーたちが登場し、とびきり楽しいカニダンス・ショーとなった。ひとしきり愉快な気分になったところで、ぐっとシリアスにヒリヒリとしたギターのフレーズが鳴り響いた。ラストナンバーは“誰かが”だ。チバユウスケが作詞・作曲を手がけたメッセージ性の強いこの曲を、二人はそれまでとは違った強いまなざしで真摯に熱唱した。《誰かが笑ってたら 肩を組もう それだけでいい》《誰かが倒れたら 起こせばいい それだけでいい》――それは、このフェスのことだとも聴こえたし、この時代の日本のことのようにも聴こえた。PUFFYがこの会場に持ってきてくれた楽しいエンターテイメントと、その中に込められた強い気持ちが伝わって、たくさんの強い拳が突き上がった。最終日、素晴らしい幕開けじゃないか。(上野三樹)