メニュー
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る



初日GRASS STAGEの2番手には、ROCK IN JAPAN FESTIVALにおいてもお馴染みのデュオ、PUFFYが登場だ。大貫亜美と吉村由美、5人のバック・バンドと共に7人編成のパフォーマンスがスタートである。オープニングは、ヒネリの効いたメロディを清々しいまでのユニゾン・ヴォーカルでかっ飛ばす、デビュー時期からのロック・ナンバー“ジェット警察”だ。由美ちゃんと亜美ちゃんがそれぞれ巨大なステージの両翼に広がり、無数のオーディエンスを楽々と掌握してしまう姿はキャリアの成せる業だろう。ただ、いつまでもキュートなままの2人のルックスとのギャップに戸惑ってしまう。そして、今年5月にリリースしたシングル曲“脱ディストピア”の高速スウィンギン・ロックンロールでオーディエンスを一瞬のうちに歓喜の彼方へと連れ去ってくれる。

新旧の名曲を連発する合間には、ビースティ・ボーイズのラップ・ミクスチャー・クラシック“(You Gotta) Fight for Your Right (To Party!)”のカヴァーも見舞ってくれる。この辺りはさすが、世界のポップ/ロック・ファンを虜にして来たPUFFYである。「日が照って来たね」「暑くてもみんな大変なわけじゃないですか。この後もその後も」「何より自分が心配だって言うね」という、時代を彩ってきた名曲の数々、ダイナミックなバンド演奏、空に突き抜けるような2人の歌声とは裏腹なユルいMCもPUFFYらしさだが、彼女たちの名曲群は勢いに満ち溢れたロック・チューンの盛り上がりだけではなくて、記憶深くに染み込んだ歌のメロディに触れて思い思いに、心地良さそうに体を揺らすオーディエンスの光景を生み出すことだって出来る。涼しい風に乗る亜美ちゃんのハーモニカも最高だ。「次は盛り上がっていきたいと思います、よろしくお願いします! お前らサイコー!!」って、何でアイドル声っつうかアニメ声みたいな声色で煽るんだ。

メロディアスなナンバーも爆裂ロック・チューンも、幾多の著名アーティストたちが手掛けた楽曲を「PUFFYの歌」として育て上げて来たことがありありと伝わるステージになった。そしてクライマックスは、井上陽水×奥田民生のタッグが生み出した摩訶不思議ポップのリレーでコーラスを預けつつ“アジアの純真”へと到達だ。PUFFYはカッコ良いまま、キュートなまま、まだまだ輝かしいキャリアを積み重ねていくのだろう。(小池宏和)





この3日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2013」は9月上旬発売予定です! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

【PUFFY】過去の ROCK IN JAPAN FESTIVAL クイックレポート