例年に較べると、だいぶ涼しい今年のROCK IN JAPAN FESTIVAL初日。だがPARK STAGEにこの男たちが登場すると、フィールドの体感温度が爆発的に急上昇する。オーディエンスからのものすごいハンドクラップに迎えられ、自らもハンドクラップしながらステージに登場した、忘れらんねえよ。早くもPARK STAGEは笑顔でいっぱいだ。
「やべえぇぇぇ、来ちゃったよ、初ロッキン! しかもあんたら、同じ時間に[Champagne]とHEY-SMITHがやってる中、よく来たな~! 初めてだから、ガッチガチになっちゃってさ! よくロッキンで地名叫ぶのあるじゃないですか!? せっかくだから、一緒にやってもらっていいですか? せーの、ひたちなか~~!!」。初めてのROCK IN JAPAN FESTIVALのステージ上で、いつもに増してテンション最高潮で、とっ散らかし気味に叫ぶ柴田隆浩(ヴォーカル&ギター)であった。
“僕らチェンジザワールド”でスタートしたライヴは、もはや3人の独壇場だ。汗と泪と変な汁による3ピースの衝動的なバンドアンサンブルが、ひたちなかの朝を痛快に蹴散らしていく。「僕らと一緒にパンクロックで生きていきましょう!」と“僕らパンクロックで生きていくんだ”を披露し、“この高鳴りをなんと呼ぶ”では歌い出しの歌詞を「明日には 名曲が ひたちなかに 生まれんだ」と変えて歌い、大きな歓声が上がった。3人が鳴らす全力の衝動の塊は、PARK STAGEのオーディエンスの胸をガッチリと掴まえて離そうとしない。
途中、最愛のチャットモンチー橋本絵莉子の結婚を知り、傷つき、バンドを辞めようかと思ったという柴田のどうしようもないMCが、「でも俺、辞めねえから。バンド辞めねえから。ロックンロールに教えてもらったのは、止めないってこと、続けるってこと! だってこの胸の奥でさ、込み上げてくる思いに従わなかったら、逆に何に従うんだよ!」とだんだん良い話になっていき、「すんげえ馬鹿にされた時もあったし、お客さん3人の時もあったし。でも胸に込み上げてくる思いに従ってやってきたらさ、今、このひたちなかの、ロッキンの、PARK STAGEのトップバッターという誇らしいステージで、あんたらの最高の笑顔を目の前にしてるよ!」と感動的になってしまう。これにはフィールドからも大歓声。初めてのROCK IN JAPAN FESTIVALのステージで、3人がPARK STAGEのオーディエンスから完全に愛された瞬間だった。
“CからはじまるABC”で爽快な熱狂をPARK STAGEにもたらすと、ラストの“忘れらんねえよ”ではオーディエンスの手が一斉に揺れて、大合唱を巻き起こした、忘れらんねえよ。「サンキュー、セックス、ありがとう!」と叫びながらステージを去った彼らの姿が頼もしく誇らしい、痛快なステージだった。(大山貴弘)
この3日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2013」は9月上旬発売予定です! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。
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