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郷ひろみ風に「ジャパ~ン!」とオーディエンスを煽り、目玉の親父のモノマネをしたり、「ノリ悪いな」とぼやいたりと、本日もリハから絶好調のモーモールルギャバン。本編で再登場しての第一声は、「ずっと友達だと思っていたのに、先にGRASS STAGEに行きやがった、[Champagne]の、ばかー!!!」という、ゲイリー・ビッチェ(Vo&Ds)の大絶叫だった。ヒョウ柄パンツ一丁、裸にネクタイという姿で言われても、説得力はないが、そんな全力の雄叫びを、オーディエンスは大喝采で迎え入れた。そして、叫びの余韻のなか、“ユキちゃんの遺伝子”の濃ゆいファンク・ポップがスタートする。ユコ・カティ(Vo&Key)が独特のダンスを踊り、シンセのノイズをぶちまける横で、T-マルガリータ(B・ちなみにヒョウ柄ロンパース姿)が超絶にぶっとくダンサブルなベースで、会場を足元から揺らしていく。気持ちよく体をほぐしたあとは、変態ピコピコ・ハードコア・チューン“POP! 烏龍ハイ”。アグレッシヴなゲイリーのドラムに、オーディエンスのジャンプや手拍子が絡み合って、肌寒いほどの夕方の風が吹いていたPARK STAGEが、俄かに夏を取り戻していく。

「今日は涼しいな。お前ら、もっといけるだろ!」。ドラム脇のお立ち台にのぼり、声を上げるゲイリー。そして、“サノバ・ビッチェ”のイントロに踊りながら、再びドラムへと戻り華麗な四つ打ちをきめる。しかし忙しい人である。ゲイリーも、ユコも、ものすごく無駄な動きが多いようにも見えるが、この3人のアンサンブルは鉄壁だし、強靭だ。もうオーディエンスは、音に思い切り身を委ねて、手を大きく振ったり、ジャンプしたり、踊ったり、思い思いのスタイルで楽しんでいる。高揚感と多幸感に包まれるなか、最高の盛り上がり曲、“ユキちゃん”のイントロが鳴るや、歓声がいちだんと高くなり、一面のダンス天国へ。

アクロバティックに展開するプログレッシヴ・ナンバー“スシェンコ・トロブリスキー”から、最後はグッド・メロディとユコの可憐なヴォーカルが切なく胸を揺らす“サイケな恋人”。ラストにほろりと泣かせにきたか――というか、もしやこのまましっぽりと終わるのかモーモールルギャバン? それでもいいんだけど、あれが足りないのでは?というところに、ゲイリーがステージ中央へ躍り出た。「いつかこれをGRASS STAGEで見せてやりたいよね、頼んだぞ、ジャパーン! まだ土曜、日曜残ってますけど、思い出が上書きできないように、トラウマを残してやるぜ。とりあえず、パンティーって言おうぜ!」と会場をパンティーコールで染め上げる。そんなお下劣なコールに、ユコが銅鑼で加勢。そして、ゲイリーがパンツを脱ぐと、そこにはもう1枚パンツが。

「これがロック・イン・ジャパン名物、J-POPの限界だ!……これ以上脱ぐことはしません、だから、GRASS STAGEに、連れていってください!」。ゲイリーの最後のお願いに、パンティーコールはますます大きくなる。そのオーディエンスの大合唱のなか、3人は最後の一滴までノイズを絞り出し、大団円へ。お下劣なのに、カタルシスのあるモーモールルギャバン、やっぱり彼らはすごかった。(吉羽さおり)





この3日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2013」は9月上旬発売予定です! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。
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【モーモールルギャバン】過去の ROCK IN JAPAN FESTIVAL クイックレポート