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「元気ですかー! 元気があれば何でもできる! 野口、ひたちなかで爆死!」というゲイリーの叫びでスタートしたモーモールルギャバンのステージ。けたたましい音と叫びで3人が1曲目“野口、久津川で爆死”から決死のプレイを見せてくれる。イントロが鳴った途端、歓声&大ジャンプとなったのが“ユキちゃんの遺伝子”。時折フロアを煽りながら赤いパンツ一丁に黒ネクタイ姿でドラムを叩きながら歌うゲイリー・ビッチェ(Dr・Vo)。そこにユコ・カティ(Key・Vo)がノイズを撒き散らし、T-マルガリータ(B)がボトムを支えるギリギリの綱渡りのようなアンサンブルと、そのスリルを存分に楽しむオーディエンスのカオティックな空間が最高だ。
「木村カエラ観に行かなくて大丈夫かー? アイラヴューロッキンジャパン!」とゲイリー。ドラムセットの上でクネクネと踊りながら“ユキちゃん”コールを煽り、強烈なシンセのフレーズに乗って偏った愛情が斜め方向に爆走していくようなこの曲をオーディエンスは大喜びで受け止めた。ゲイリーは半裸に近いが、お客さんだって半裸同様の心持ちでここに集まっているようだ。何だか危険。続けて“ユキちゃん”で好きな女の子をしつこく追い回す鼓動のようなゲイリーのビートに合わせてみんなもジャンプ。
最後の曲は“サイケな恋人”。ユコ・カティのヴォーカルに甘酸っぱくてピュアな雰囲気が漂うが、ゲイリーが途中のパンティーコールでぶち壊していく。純粋さと紙一重の狂気を全員で共有するかのようにWING TENTは凄まじい熱気とノイズの中で盛り上がった。「こんな光景、誰が想像したでしょう! こんなにたくさんの人の前でやらせてもらえることはめったにないから限界まで裸になります」と言い、赤いパンツを脱ぎ捨てるゲイリー。もちろん下にもう1枚履いており、「ここがJ-POPの限界です!」という言葉にみんな爆笑。最後はユコ・カティがドラを何度も打ち鳴らし、ド派手にステージを去った。ROCK IN JAPANとモーモー、奇跡のマッチアップだった!(上野三樹)