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太陽が傾き、心なしか涼しい風がそよぎはじめたLAKE STAGE。人差し指を高く突き上げて登場したのは、今年で7回目のRIJ出演となるTRICERATOPSの3人! 冒頭のジャムセッションから、彼らのメジャー・デビュー曲にして鉄壁のアンセム“Raspberry”の「あの」イントロへ流れると、オーディエンスから沸き起こる大歓声! 安定感あるミドル・テンポに乗って、和田のスイートな歌声が気持ちよく伸びていく。そのまま“I GO WILD”へと雪崩れ込み、ガップリと噛み合った、三位一体のアンサンブルを紡いでいくトライセラ。ギターを高々と掲げ、「ROCK IN JAPAN、こんにちは!」と挨拶する和田は、ひたすら楽しそうだ。スカ調のアウトロでLAKE STAGEを大きく揺らした“Pretty Wings”を経て、「次はロマンティックにいきますか。恋する夏の皆さんに捧げます」という紹介から鳴らされたのは、“if”。ふくよかなメロディと重層的なハーモニーがオーディエンスの横揺れを誘う。王道ロック→ダンス→ポップと滑らかに移行していくこの前半戦だけで、聴き手のツボを突く引き出しをいくつも携えたトライセラの貫禄を、十分すぎるほど見せつけられた気分だ。
いい感じに空がオレンジ色に染まり始めたところで、まさにこの時間帯にリリカルなメロディ・ラインを持った“Fly Away”がスタート。ステージとPAテントの間に張られた水色のフラッグがはためき、郷愁漂う夏の風景が描かれていく。その後は、燃え上がるギター・リフと地を這うベースラインが正面衝突を繰り広げる“あのねBaby”を経て、「今日は集まってくれてどうもありがとう。ラスト!」と和田。たちまちオーディエンスから沸き起こる「えー!」という声。確かに、ヴァラエティに富んだ楽曲群でさまざまな感情を呼び起こさせてくれるトライセラのアクトは、体感時間があまりにも短い。まだまだ聴き足りない!とオーディエンスが思うのは、仕方のないことだろう。しかし、そうは言ってもラストはラストである。うねうねと蛇行するスリリングなメロからキャッチーなサビへと一気に駆け上がる“トランスフォーマー”で、「皆で歌おうぜー!」と煽って絶頂へ! LAKE STAGEをカラフルに染め上げて「またねー!」とステージを後にする3人の姿に、またひたちなかで会える日が早くも楽しみになってしまった。(齋藤美穂)