メニュー



「おー、いぇー!(和田君が言うとひらがなっぽい)」と和田唱が叫ぶと、ドラムの吉田も笑顔で「イェー!(ヨッシーが言うとカタカナっぽい)」と客席に呼びかける。そんな笑顔と軽いセッションで始まったTRICERATOPSは、のっけから“Two Chairs”と“FEVER”をぶちかます。初期の名曲にボルテージマックスのオーディエンスに、「もう、ぶっちぎりでガンガン踊っていってね。よろしく」と和田唱。よろしくされなくたって、勝手に体が動いちゃうっつーの! ニューアルバムから“シラフの月”、美しいハーモニーを奏でる“ゴシックリング”でちょっぴりしっとりモードを見せ、初披露となる次のシングル“I GO WILD”のあとは、“Rasberry”を投下! イントロが鳴った途端に地響きのような歓声が響いていたのは爽快だった。たまらずステージに駆け出してしまったみなさんたちの気持ち、よくわかります。それにしてもTRICERATOPSはフェスに映えるバンドだ。ピョンピョン飛び跳ねながら身体全部で歌をうたう和田、冷静沈着に正確なベースを刻む林、うしろでどっしりと構えながら笑顔でドラムを叩く吉田──この3ピースが叩き出すグルーヴはポップに弾けているのに分厚くて、彼らにしか鳴らせない「踊れるロック」がステージ上で肉体化する。ラストの“FUTURE FOLDER”まで、そりゃあもう楽しませていただきました。合掌。(上田智子)