最終日、PARK STAGEのトップバッターを務めるのはキャリアを重ねるごとにダイナミックなバンド・サウンドを追求し、デビュー当時から変わらないグッド・メロディを量産し続けるTRICERATOPS。ゆっくりとメンバーがステージインすると、サングラス姿の和田(Vo/G)はオーディエンスから漲るパワーを受け取るようにして両手を広げる。肩慣らし的なブルージーなセッションから、そのまま軽やかに弾けるナンバー“Party”でライブは幕を開けた。間髪いれずに鉄板のナンバー“GOING TO THE MOON”へなだれ込むと、フロアを完全に掌握! ライブで何度となく聴いてきたお馴染みのナンバーだけど、これだけの人をこんなにも熱くさせるのはやはり、年を重ねるごとにどんどん深みを増し、同時に新鮮さも感じさせるTRICERATOPSの今の魅力のおかげだろう。「おはよう! みんなようこそTRICERATOPSです。みんな元気? 最後までぶっちぎりで踊ってってください!」というと9月8日発売予定のニュー・アルバム『WE ARE ONE』からの新曲“Happy Saddy Mountain”を披露。山あり谷ありの人生をジェットコースターに例えた歌だが、経験を重ねてきた彼らだからこそ表現できる速さに頼ることのない、横ノリで踊れるミディアム・ナンバーだ。その後、吉田のリズミカルなタム回しからスタートした“1000 LOVE”では、和田がタンバリンを叩きながら「クラップ・ユア・ハンズ!」と煽っていくと、会場は一丸のハンドクラップに包まれる。そんな中、和田はお得意のギター・ソロを繰り出していき、再びタンバリンを叩きながら、「今日はすげぇ、気分がいいです! 良かったら一緒に歌ってください!」と促し、「オーイエイ!」「オーライ!」のコール&レスポンスでオーディエンスをますます盛り上げて見せる。ラストは吉田の4つ打ちバスドラに促されるようにハンドクラップに包まれ、イントロ・ギターで歓喜の声が沸き起こった“Raspberry”。3ピース・ロック・バンドとしての豊潤なアンサンブルを叩きつけ、今のバンドの充実ぶりが窺える安定感抜群のアクトだった。ステージ去り際に3人は中央に集結し、しっかりと手を繋いで万歳。3人の結束力は今より一層強いものになっているようだ。(阿部英理子)
TRICERATOPS のROCK IN JAPAN FES.クイックレポートアーカイブ