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前回は2003年だったから、実に4年ぶりにロック・イン・ジャパン出場のトライセラ。まずはど渋の3コード・ブルース・セッションで互いのグルーヴを確かめたあと、1曲目“ROCK MUSIC”で場をあっためたと思ったら、次はあのギター・リフが響きわたる! デビュー・シングルにして「なんてことない日常の気持ちをなんてことない感じで歌ってるのに大名曲」、そう、“Raspberry”! フロアのみんなの腕、上がる上がる。続く“僕らの一歩”をしっとりと歌い終わった頃には、着ているTシャツが、頭から水をかぶったみたいになっている和田。しかし、トライセラのライヴを観る度に、ロック・バンドとして本当に高性能だなあとつくづく思う。「ブルース」「ハードロック」「70年代」「ビートルズ」「ブギー」、トライセラの音を形容しようとするとこういう感じになるわけで、つまり「ビートルズ」以外は、渋くて重くてかっこいいけど決してキャッチーでとっつきやすいものではないわけで、なのにそんな洋楽まんまなルーツをポップで心地好くて楽しいものとして受け手にぶっ刺してしまう。のは前からだけど、その精度がデビューから10年が経とうという今なお、どんどん上がっている気がする。スタンディング・ゾーンを埋め尽くした人たちが曲が進めば進むほど笑顔になっていくのが、なんかとてもよかった。(兵庫慎司)