メニュー

ようやく日差しが和らいできたものの、やっぱりまだちょっと暑いひたちなかの夕暮れ時。そこに強力な爆音を投入するためにAA=が降臨! うっすらと漂うスモーク、大音量のSEに包まれながら、凄まじい拍手と歓声に迎えられたTAKESHI UEDA(B・Vo)、TAKAYOSHI SHIRAKAWA(Vo)、MINORU KOJIMA(G)、NOBUAKI KANEKO(Dr)。全員黒で統一されている服装が眩しい。彼らのステージは“WORKING CLASS”からスタートした。歪んだ爆音とドスの利いた歌声、轟くマシンサウンドが最高! 冒頭から我々のアドレナリンの分泌腺は容赦なく絞り上げられた。

重低音の轟きに合わせてフィールド全体が揺れた“posi-JUMPER”。強力なダンスエネルギーを放った“sTEP COde”を経て、最初のブレイク。「楽しんでますか? 爽やかなバンドがたくさんいるけど、熱い中、わざわざ俺たちを観に来てくれて、感謝します。俺たちがAA=です。うるさい音が好きなやつが、こんなにたくさんいるみたいで、最高です! みんなも楽しんでいってください!」とUEDAが語り、再び演奏へ。ラウドなサウンドと、神々しいメロディが絶妙な融合を遂げた“The Klock”。イントロの時点で大喜びしながらガッツポーズするお客さんがたくさんいた“meVIR”。スピード感に溢れるサウンドが心地よかった“LOSER”。オーガニックな風味も漂わせながら開放的に皆を踊らせた“ROOTS”……セットリストが進む毎に、圧倒的な熱気でフィールド全体が包まれていった。

「ここから遠くないこの空の向こう、今なお、困難と闘っている人たちがいます。カタカナやローマ字で記される『フクシマ・FUKUSHIMA』ではなく。俺らの仲間、友だちが住む場所です。俺たちは、今も彼らが闘っているっていうことを忘れません」という言葉を添え、ラストに披露されたのは“We’re not alone”。《ウィー・アー・ノット・アローン》と共に歌う声が観客の間で広がる。終盤でSHIRAKAWAがマイクを向けると、その歌声は一際高らかに響き渡った。演奏が終わった時に起こった拍手と歓声は、清々しい連帯感に満ちていた。(田中大)