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サウンドチェックで秋野温(Vo&G)が“あー夏休み”や“夏の日の1993”を熱唱し、開演時間前から彼らのステージを楽しみに待つオーディエンスを沸かせていた鶴。もはやすっかりROCK IN JAPAN FES.常連の3人だが、今年のステージは一味違う! 「今年はなんか頭が涼しいような……」とステージで秋野も語っていたように、トレードマークだったアフロヅラを脱ぎ捨てた鶴。いつになく等身大でありのまま、それでいてガッツリとWING TENT中の心を掴みきったステージを見せてくれた。

まずは、快晴に恵まれた今日の天気にぴったりハマるような一曲“どこまでも青空”をしっとりと響かせると、神田雄一朗(B)のファンキーなベースラインから“点と線”に突入し、フロアではオーディエンスの手が一斉に揺れる。秋野の強く真っ直ぐ歌声と、3人のタイトなアンサンブルに引き寄せられるように、気がつけばWING TENTの最後方まで人でいっぱいだ。

「さあ、ROCK IN JAPANに鶴が来たよ。準備はいいかしら?」という秋野のMCを合図にバンドとオーディエンスがコールアンドレスポンスをしつこく繰り返す鉄板の“こんにちは鶴です”でフロアをたっぷり盛りあげると、「一番暑い時間にWING TENTに来るってことは、君たちはMか? そうか、俺もそうだ!」(秋野)と謎のカミングアウトを挟みつつ、「一番暑い時間に、愛の言葉をたくさん贈るよ!」(秋野)と鶴渾身のラヴソング“愛の言葉”を披露、灼熱のWING TENTを愛で染め上げる。

さらに、フロアをダンス天国に塗り替えた“踊れないtoフィーバー”で大フィーバーを起こすと、最後は大ハンドクラップを巻き起こした“夜を越えて”でフィナーレ。「なんか良いな、夏フェスって。ライヴやってて生きてるって感じがする」と独り言のようにステージで語っていた秋野だが、汗と笑顔いっぱいで彼らのライヴを堪能したWING TENTのオーディエンスたちも同じ気持ちだったに違いない。(大山貴弘)