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ライヴ開始の20分ぐらい前から、WING TENTは人、人、人。彼らへの期待の高さを物語っている。そして定刻、人と期待とではち切れそうなWING TENTに3人が姿を現すと、オーディエンスからは一際大きな歓声が上がる。ROCK IN JAPAN FES. 2012初日、WING TENTのトリを飾るback numberのステージは、始まりから最高潮の盛り上がりだ。キーボードと2人のギタリストをサポートメンバーに加え、6人編成のback numberで最初に演奏したのは“半透明人間”。途端にオーディエンスから大ハンドクラップと大歓声が巻き起こり、一斉に拳が揺れる。続く“花束”も巨大な歓声に迎えられ、清水依与吏(Vo&G)のスイートな歌声と軽やかなバンドアンサンブルが、WING TENTの興奮をさらに加速させていく。一曲一曲、終わるごとに大きな歓声が上がっていて、オーディエンスとback numberの強い結びつきが感じられる。back number、本当にものすごい愛されっぷりだ。

「ROCK IN JAPAN 2012初日、どうだった、みんな? 楽しかった? 具体的にどう楽しかったのか、せーのでみんな一緒に言ってみよう」と、清水はムチャぶりでオーディエンスを笑わせつつ、「やり残したことがある人がいたら、ちゃんと全部ここに置いていってください」とトリを務めるアーティストらしい頼もしい発言も。7月にリリースしたばかりのシングル“わたがし”や“思い出せなくなるその日まで”でオーディエンスの胸をギュッと締め付けると、今度は「back numberの好き度合いとか、いろいろあると思うけど……ここにいることを後悔させないから。今の俺たちで、ここにいる全員を、ちゃんとGRASS STAGEまで連れて行くから、信じてください」(清水)と熱いMCを語る。

続けて、その日を夢見るようなナンバー“スーパースターになったら”に突入すると、今日一日の最後にそんな力がどこに残っていたのかと驚いてしまうほどオーディエンスは巨大な盛り上がりをみせる。今のバンドの充実ぶりを感じさせる親密な空気感に満ちたステージは、アンコールの“そのドレスちょっと待った”でグランドフィナーレ。オーディエンスとback numberの結びつきをさらに強めたに違いない、充足感に満ちたステージに、ライヴが終わってもしばらく拍手と歓声が鳴り止まなかった。(大山貴弘)