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開演前から3人の登場を待ちわびた満場の観客の手拍子が湧き起こる中、無人の舞台に響き渡るトラック。そして……目にも鮮やかなピンクの衣装&赤のヒールに身を包んだかしゆか/あ〜ちゃん/のっちが弾むような足取りでオン・ステージして“GLITTER(Album-mix)”へ突入すると、GRASS STAGE一面の熱気は轟々たる大歓声へと変わる! さらに8月15日リリースの新曲“Spending all my time”へ。バキバキのトラックを艶やかに、タイトに乗りこなしながら、数万人を快楽の果てへと力強く導く3人は、そのまま彼女たちの出世作的ナンバー=“ポリリズム”へ! 歓喜に身を委ねて踊り回るオーディエンスのダンスで大地が面白いように揺れ、高らかなクラップがビートと歌声と一体となって、圧倒的な多幸感を生んでいく。そして「3人合わせて……」の声とともに、「Perfumeです!」のコールが広大なフィールド中から湧き起こる。2日目・夕暮れ時のGRASS STAGE丸ごとPerfumeの空間になった瞬間だった。
「Perfumeは、今日すごく楽しみにしてきました! だってPerfume、(今年の)夏フェス初めてのステージ!」とあ〜ちゃん。「夏を味わわせてあげるよ! みんなついてこれる?」とキュートなポップ・ナンバー“スパイス”、ハード・エッジながらスペイシーな高揚感に満ちた“SEVENTH HEAVEN”を披露したところで、「ライブはこれから後半戦! みんなの声、みんなの身体の動かしが必要です!」というコールからライブ恒例の「P.T.A.コーナー」へ。「男子!」「女子!」「そうでない人!」のコール&レスポンスの1つ1つが熱く響き渡ったり、あ〜ちゃんがローラの物真似キャラ=アーラに扮して「アーラだよ! フフフ」と数万人を笑いで包んだり、「手振って! 手振って!」と観客一丸のハンドウェーブを巻き起こしてみせたり……それこそワンマンばりの内容をそのままここROCK IN JAPANのステージに凝縮したような濃密なアクト。3人のビシッとした意気込みとリラックス感の絶妙なブレンド具合が、フィールドとの距離をぐいぐい縮めていく。
“FAKE IT”から“Spring of Life”“チョコレイト・ディスコ”とノンストップで畳み掛け、巨大なダンスとジャンプの風景を描き出して再びGRASS STAGEを震わせた後、「次の曲で最後になります!」とあ〜ちゃん。えー!と別れを惜しむ観客の声に「大丈夫! この曲、すっごく大変だから!(笑)。みんなで心を1つにしたいと思います!」と最後の“MY COLOR”へ。かしゆか&のっちがGRASS STAGEの袖いっぱいに展開しながら、3人で「演技指導」する振り付けのアクション越しに、文字通り数万人を1つにしてみせたPerfume。深々と一礼する3人へと沸き上がる、熱烈な拍手の嵐。「秋にはアジア・ツアーも決まりました!」とあ〜ちゃん。誠実に、着実に進化を続け、ついに世界へ向けて歩み始めた彼女たちの「今」が、最高に華麗な形で結晶したステージだった。(高橋智樹)