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セットチェンジの間中、オーディエンスの上には水のシャワーがしきりに降り注ぐ。時刻は14時をまわったところ。まさに1日の中でもっとも暑い時間への突入である。そんな過酷なGRASS STAGEに登場したのはPerfume! 白とレモン色の爽やかな衣装をまとった3人がステージに現れるなり、オーディエンスから割れるような歓声が沸き起こる。そして始まったのは“不自然なガール”! ビタースウィートなメロディが鳴りひびくと、GRASS STAGEはあっという間にダンスホールと化していく。ステージの上では一糸乱れぬダンスを見せる3人。その姿に、死角らしきものは見当たらない。初登場となった2年前はLAKE STAGEにて記録的な入場規制がかかる中、そして昨年は初日GRASS STAGEのトップバッターという、大きなプレッシャーのかかる舞台を2年連続で踏んできた3人。今年も暑さとの闘いという決して楽ではないステージだが、常に攻めの姿勢を崩さない彼女たちにとっては、むしろ歓迎すべき大舞台なのかもしれない。

「いくぞー!」というあ~ちゃんのシャウトを皮切りとして、2曲目は“コンピュータードライビング”。キッチュなピコピコ・サウンドにGRASS STAGEが揺れる! 揺れる! 間髪入れずに“エレクトロ・ワールド”に突入すると、ベースの効いたエレクトロ・ビートが力強く前進していく。
そして「かしゆかです、あ~ちゃんです、のっちです、3人あわせてPerfumeです!」というお決まりの挨拶に続いてMCコーナーがスタート。「あっついねー!」「暑くなったら近くの赤い帽子をかぶったスタッフさんにHELP MEしてくださいね!」と、ひとしきり暑さの話をした後は、11月に行われる初の東京ドーム公演の話題へ。「少しでも多くの皆さんに感謝をする場が欲しくて。不安もありますけど、崖っぷちの精神で挑戦したいと思います!」という、男気すら感じさせる宣誓をする3人の、なんと頼もしいこと。

“ナチュラルに恋して”“love the world”ミドル・チューン2連発でわずかな間クールダウンした後は、8月11日にリリースを控えた新曲“VOICE”! どこかオリエンタルな匂いを感じさせるセンチメンタルなメロディが、GRASS STAGEをほっこりとした空気で包んでいく。その後は爆笑のコール&レスポンスタイム。「上の歯~、下の歯~、前歯~、奥歯~! 歯はしっかり磨きましょう!」と始まったかと思えば、「サバイバルダンス! ウルトラソウル!」とやり放題好き放題。それにしっかりついていくオーディエンスの姿も微笑ましい。
こうして完璧に一体となったGRASS STAGEに次に投下されたのは、インディー時代のポップ・ナンバー“ジェニーはご機嫌ななめ”。そしてあ~ちゃんの「ラストー2曲!」という号令とともに、鉄板のキラー・チューン“チョコレイト・ディスコ”“ポリリズム”の連打で、あっという間の50分の幕を締めくくった。
終始笑顔を絶やさず、アグレッシヴなダンスと天真爛漫のMCで未曾有のエンターテインメント空間を作り上げたPerfume。やはり今年もこの3人は最強だった!(齋藤美穂)