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スタート前からメンバー全員が熱心にサウンドチェック。そしてふと時計を見た向井秀徳。「まだ15分くらいあるわ」と一言発し、突然演奏を始めた。スリリングなサウンドに誘われ、フィールドはみるみる内にお客さんで埋め尽くされていった。SEは流れず、静かに登場してスタンバイしたZAZEN BOYS。「来月に4年ぶりのアルバムをリリースします。今日は、ほぼそのアルバムの曲をやります。初めてやる曲ばかりなので。お聴きください」と、まずは挨拶。そして、“サイボーグのオバケ”を皮切りに、9月5日にリリースするニューアルバム『すとーりーず』の曲を次々と演奏した。ファンキーなビートを刻み、お客さんたちをジワジワ盛り上げた“ポテトサラダ”。複雑なリズムのリフに合わせて時折ロボットのような不思議な動きをしながら向井が歌った“気がつけばミッドナイト”……などなど、ニューアルバムの素晴らしさを確信できる曲ばかりであった。

「来月、久しぶりのアルバムを出します。ツアーもやります。全国へいろいろ行きますので」、どこか人を喰ったトーンのMCがお客さんたちを和ませて後半へ。ヒリヒリした質感のサウンドで盛り上げた“サンドペーパーざらざら”、バンドが一丸となり熱く高鳴っていった“泥沼”……と、さらに新曲を2曲演奏。そしてラストを飾ったのは、この日のセットリストの中で唯一のお馴染みの曲“ASOBI”。メンバー同士がアイコンタクトを交わしてサウンドを変化させつつ、約10分間に亘って奥行き深いサウンドを鳴り響かせた。メンバーの1人1人を紹介しつつ演奏は終了。向井はビールが入っているらしいカップを掲げると、お客さんたちに向かってお辞儀。メンバーたちと一緒にステージを去った。(田中大)