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Mrs. GREEN APPLEのフェーズ2の幕開けとなった“ニュー・マイ・ノーマル”から最新の“breakfast”まで、インプレッシブな楽曲がセレクトされたアニバーサリーベストアルバム。ここに収められていない楽曲も含めてだが、ミセスのフェーズ2とは、バンドの音楽性を限りなく広げるとともに、そこで描くテーマ、そのコアをより強固にするフェーズなのだと改めて実感させられる。1曲1曲、その細部にまで宿るミュージシャンシップがとにかく圧倒的なのだ。そして孤独や痛みを掬い取り、思考の道標となるように描く歌詞は、ここに至ってますます色濃く、深い。驚くべきはアルバムラストに収められた“慶びの種”。これは今や入手困難なファーストミニアルバムにシークレットトラックとして収録されていた曲で、その新録をここで聴くことができる。まだ10代だった大森が綴ったささやかな希望。それに対して、現在のミセスだからこその壮大さで描くサウンドスケープが、まるでひとつのアンサーのように確信的に響く。(杉浦美恵)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年8月号より)
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