先輩バンドのケプラがフィシュリの“会いたくなったら”をカバーする粋なサプライズからライブはスタート。
自分たちも高校生のときにバンドを始めたから、かつての自分たちを見ているみたいと語り、“YOUTH”や“16”といった活動初期の曲を披露した。初心に帰るようなセトリを持ってきたところも、フィシュリへの最大のエールに感じられてグッときた。
そんなバトンを受け取ってステージに立ったフィシュリ。にしむらだいち(G・Vo)は、尊敬するケプラへの溢れる想いを口にした。4年前にケプラの音楽に出会ってバンドを始め、そんなバンドと自主企画で対バンできる未来が待っていることを4年前の自分に教えてあげたい──そんな物語をリスナーと共有しながら歌う“青春ロックを歌って”は格別なものだった。
彼らが年齢的にも青春真っ只中なのはもちろんだが、フィシュリの楽曲そのものに青春の煌めきがそのままパッケージされている。だから、フィシュリのライブに行けば誰もがいつだって青春に戻れる。そんなライブをやり続けたいという、バンドの所信表明にも感じられるライブだった。(有本早季)
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