アガる曲、楽しむ曲、浴びる曲、心を傾けてじっくり聴く曲──ビッケブランカの楽曲は、ライブで聴くと特に実感できるのだがイントロが流れ出した瞬間にスイッチが勝手に入ったみたいに身体が適合していくような、歌声が持つ求心力がとてつもない。
10月31日、「VK Blanka Hall Tour 2024 - Knightclub -」TOKYO DOME CITY HALL公演を観て改めてビッケブランカというシンガーの特異性を目の当たりにした。
ここ数年、海外での活動に本腰を入れているビッケブランカだがサウンドもジャンルも世界基準になってきていて、中でもバラードやミドルテンポの楽曲はかつての曲たちも含め表情がどこか違って見えるのだ。
歌声の鳴り方、響き具合のレンジが広くなっているというか。その変化にはビッケブランカ本人も気づいていて、むしろ意識的ですらあるとMCでも語っていたが、キュン、と胸を穿つような必殺バラード的な聴き心地からギュッと包み込むような奥深さがあって、まさに世界を旅してきたからこそビッケブランカというアーティストの心根から滲み出てきた「わびさび」みたいな部分が確かに感じ取れる。
切ない曲も、儚い曲も、聴き終えたあとには必ず多幸感が押し寄せてくる。それが最高に気持ちいい。
ホールツアーもまだ続くが、その先には恒例となってきた「RAINBOW ROAD」の第4弾「VK Blanka presents RAINBOW ROAD - 號 -」が12月27日に東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)にて開催。いつになく加速しているビッケブランカがこのあとどこまで駆け上がっていくのか楽しみだ。(橋本創)
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ビッケブランカの歌声が放つとんでもない魔力──ホールツアー東京公演を観た!
2時間前