ノウワー:驚異の異次元ポップユニットの来日が決定! 白熱のステージを見逃すな

rockin'on 2024年2月号 中面

ノウワーがついに来日する! 実に6年ぶりとなる日本ツアーで、ルイス・コールのソロが人気を博してからは初めての機会となる。もう一人のメンバーであるジェネヴィーヴ・アルターディもルイスの来日公演にはたびたび同行し、一昨年末のツアーと昨年のフジロックでも優れたパフォーマンスをしていたが、今回はこの二人が対等な存在感を発揮するステージを堪能できる。曲も粒揃いで、各々のソロ作に勝るとも劣らない良さがある。これは本当に必見だ。

ノウワーは2009年に結成されたデュオで、知名度の面ではルイスのソロが目立ってしまった感はあるが、これまでも多くのミュージシャンに衝撃を与えてきた。ルイスとジェネヴィーヴは互いを最大の影響源と認めあっていて、いずれのソロ作も現代ポップミュージックの前衛を切り拓く魅力に満ちている。とぼけた躍動感が前面に出るルイスに対し、ジェネヴィーヴは緻密かつ実直でありながら、悪路をためらいなく突き進む度胸もある。

ノウワーは二人のこうした持ち味をそのまま掛け合わせた作風で、その配合バランスは曲により様々に変わり、各人のソロ作にはない味を生んでいる。昨年の6月にリリースされた『ノウワー・フォーエバー』はそうした活動の集大成で、10月頭にサブスク解禁されるまではバンドキャンプ専売だったのだが、そこで大ヒットを記録。この傑作アルバムを携えた来日公演も間違いなく素晴らしいものになるはずだ。

今回のツアーは参加メンバーも素晴らしい。初期のノウワーを観て衝撃を受け親交を深めていったというサム・ウィルクスは、サム・ゲンデルや長谷川白紙との共演でも知られる現代屈指の超絶ベーシスト。また、ポール・コーニッシュとチキータ・マジックも、『ノウワー・フォーエバー』で優れた鍵盤演奏を披露している。こうした手練の参加は、独特のズッコケ感とハイパーな勢い、ねじれた構造と突き抜けたポップセンスを両立するノウワーのパフォーマンスを、いっそう強力なものにしてくれるだろう。間違いなく楽しいライブになるはずだ。 (和田信一郎)



ノウワーの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』2月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

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