見どころは、12人ものダンサーと展開するコリオグラフィ。ディスコからEDMまでをのみ込むダンスポップを主戦場としているデュア・リパは、UK発祥のレイヴカルチャーのエッセンスを体現するディーバだ。代表曲“ワン・キス”や“レヴィテイティング”での盛り上がりは凄まじく、さながら2万人が参加するレイヴパーティーのよう。照明とバックドロップの映像でムードを切り替える演出も見応えがあった。スティールの階段をふたつ配したステージセットは、1曲目の“トレーニング・シーズン”ではスポーツジムに見え、“イリュージョン”では都会の片隅になるのだからおもしろい。
サードアルバム『ラジカル・オプティミズム』からの収録曲に、これまでのヒットを織り交ぜるセットリスト。踊らせるだけではなく、スローな“ジーズ・ウォールズ”や“エニシング・フォー・ラヴ”ではじっくり歌唱力を披露。「一生、歌い続けるつもり」とエルトン・ジョンとの“コールド・ハート”を紹介したのには、UKのダンス文化を背負う覚悟を感じた。アンコールの“ダンス・ザ・ナイト”では、リアル・マーメイド・バービーが降臨。あえて人形っぽく踊ってから、“ドント・スタート・ナウ”と“フーディーニ”の群舞で大団円。デュア・リパならではの確固たるスタイル、サウンドを伝えながら、ダンスディーバとしてトップをひた走る姿はどこまでも凛々しかった。 (池城美菜子)
デュア・リパの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』1月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。
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