12月6日(金)発売のロッキング・オン1月号は、1年を締めくくる2024年洋楽アルバム特集です。アルバムだけでなく、リイシュー作品、来日公演、イベント、ニューカマー、洋楽ライター陣による座談会、そしてジャンルを細分化したシーン別の徹底考察で、今年の洋楽シーンを振り返ります。
今回は、選出作品の一部をご紹介!
【No.7】
ザ・キュアー『Songs Of A Lost World』
本作で最も悲痛な曲のひとつ“I Can Never Say Goodbye”の一節《Something Wicked This Way Comes》——『マクベス』の引用——はレイ・ブラッドベリの幻想小説『何かが道をやってくる』のタイトルでもある。ハロウィーン間近の町に嵐と共に訪れた冬(死の季節)が主人公の幼年期の終わりを象徴するお話だが、ハロウィーンの翌日である万聖節(11月1日。2日は死者に祈りを捧げる万霊節)に発表された本作もロバート・スミスの「終わり」の受け入れのごとく響く。本作と対を成す次作は完成間近だそうで、来年予定されている世界ツアー前に発表したいとロバートは述べている。ゆえに間違ってもザ・キュアーが「終わる」という意味ではないが、初期から一貫して厭世観と倦怠を歌いつつそれにのみ込まれることのない永遠のロック・ピーター・パンである彼も、遂にジ・エンドを直視するようになったのかもしれない。(続きは、ロッキング・オン1月号にて)
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