ここ最近だけでもドキュメンタリー映画公開、久々の自著出版、サウンドスケープ集『Aurum』発表……と八面六臂なブライアン・イーノだが、早くも新作が登場! アーティストのビーティー・ウルフとのコラボアルバム『Lateral』&『Luminal』について合同取材がおこなわれ、『ロッキング・オン』も参加させていただきました。
「アートと気候」という対談で22年に知己を得た両者は以後も対話を続け、言葉では表現しにくい「心のあや」をモチーフとする本プロジェクトに発展したという。アルバムを軸に、アートと感情の関わり、アートの果たす役割をはじめとする様々な話題が俎上に載った。イーノの話を聞くと、筆者はいつも元気が湧く。8月号でこの最新発言をお読みいただき、読者の皆さんもリフレッシュされたら良いな、と思います。
イーノのロンドンのスタジオから揃ってZoom画面に登場したイーノ&ビーティーは、一見親子ほども歳が違う。しかし音楽の持つパワーへの信頼で結びついた両者の息はばっちり合っていて実に能弁、たまに茶々を入れたり、和気あいあいなサロン的雰囲気が素敵だった。取材中もクッキーを頬張るビーティーがお茶目な秀才学生だとしたら、さしずめイーノはそれをあたたかく見守る教授といったところ。今後もこのふたつのマインドのシナジーから、新鮮なアイディアが飛び出すことを期待しています。(坂本麻里子)
ブライアン・イーノ&ビーティ・ウルフの記事が掲載されるロッキング・オン8月号