なぜ、我々はThe 1975に翻弄されてしまうのか? マシュー・ヒーリーがその答えを語りつくす決定版ロングインタビュー!


現在発売中のロッキング・オン4月号では、The 1975のインタビューを掲載!
以下、本インタビューの冒頭部分より。



「俺のやってることって、ジョークなんだ。今まで書いた良いフレーズで、ジョークじゃないものなんてひとつもない。誰かの代弁者を気取るつもりはないね。だいたい、自分が言っていることの意味すらわかっちゃいないんだから」


目立った活動がなかったこの2年間で、The 1975がどんなバンドだったか、すっかり忘れてしまった人もいるだろう。だがフロントマンのマシュー・ヒーリーには、そんな人に対する、決定版のフレーズがある。

「うちのバンドは『思春期まっただ中』(※原題『The Inbetweeners』、イギリスのパッとしない男子高校生を描いたコメディドラマ。原題の意味は「上でも下でもなく、真ん中にいるやつ」)だよ」と言って、彼は笑う。「真面目でも、クールでも、イケてもいない。中途半端な野郎どもの集まりだから」

2020年4月(ちょうどコロナ禍の混乱が始まった時期だった)以来となる本誌とのインタビューで、マシューが触れた、思春期の若者を描いたコメディ作品は、この『思春期まっただ中』だけではない。イギリスのコメディアン、ハリー・エンフィールドが演じる男子高校生のキャラクター「ケビン」についても言及があった。これはちょうど、メディア向けの発言について話していた時だった。歯にきぬ着せない姿勢で知られている彼の発言は、何か言うたびに「炎上するのでは?」という、ある種の期待が生まれているほどだ。

マシューに加え、ギターのアダム・ハン、ベースのロス・マクドナルド、ドラマーでプロデューサーのジョージ・ダニエルの4人で構成されるThe 1975は今、通算5枚目のアルバム、『外国語での言葉遊び』のリリースを10月14日に控えているところだ。そんな中で、マシューは自分の姿勢について説明したいと考えている。 

「つまりはこういうことなんだ。『俺はただ、会話をしたいだけだけど、いまいましいことに、連中が俺をクソバカ野郎に描きたければ、本当にクソバカ野郎に描かれてしまう』っていう」。そうマシューは言い、俳優のティム・ヒーリーとデニース・ウェルチの間に生まれたという生い立ちから、ショウビズには関わる前からすでにウンザリしていたと付け加えた。 

「(このインタビューのような)会話の中で何か言うと、『マシュー・ヒーリーは、こう言った!』という見出しにされる。まるで俺がバーでおもむろに立ち上がって『みなさん……っ!』ってスピーチしだしたみたいにね。どんなことにせよ、俺の意見なんて意味があるとは思えないな。そういうのは専門家の連中にまかせればいい」

したがって今は、公の場での発言については、無難なものにとどめるようにしているという。

「俺は音楽を作る。それがマジでメチャクチャ得意なことだから」と、彼はこの選択の理由を説明する。「これからもジョークは言うけどね。それも得意なこと……と言えなくもない。ジョークは言いたいんだ、俺のやってることって、ジョークなんだよ、マジで。長々と語るし、音楽の中で表現してるけどね。俺が今まで書いたいいフレーズで、ジョークじゃないものなんてひとつもない。誰かの代弁者を気取るつもりはないね。だいたい、俺なんて、自分が言っていることの意味すらわかっちゃいないんだから」

(以下、本誌記事へ続く)



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