これぞ今のUKの覇者


今日は、最新作『オンリー・レヴォリューションズ』にまつわる
スペシャル・ライヴとして企画されたビッフィ・クライロ@代官山UNITへ。

先日行なわれたNME Awardでも
最新作からの“ザ・キャプテン”がベスト・ヴィデオを獲得した彼らだが、
本国UKでは確固たる支持を築いているバンドだ。
それゆえに日本の状況とはギャップがあるのだけれど、
今日のライヴは、そんな格差など一瞬で吹き飛ばすものだった。
過去の来日公演と較べても、スケールがまったく違う。

プログレのような楽曲を、
Vo&Gのサイモンは、まるで一筆書きのようにフリーキーに演奏する。
それもあって、今までのライヴでは
散漫な印象を受けることもあったのだけど、
今日はビシッと一本、芯が通っている。
原点であるハードコアとしてのエッジもまったく失われていない。
メンバー3人全員が、最初に出てきたときから裸だったが、
汗を撒き散らすのと同じく、肉体から轟音をくりだす。

だから、彼らの音楽はプログレのように壮大なのだけど、
プログレのような様式美や大袈裟さがない。
壮大さのための音楽ではなく、
あくまで自分のなかにある巨大ななにかを鳴らすために
ビッフィ・クライロの音楽はある。

本国UKではウン万人規模の公演まで考えられているそうだ。
こんな素晴らしいライヴをやるようになった今だからこそ、
日本でもう一度観たい。(古川)
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