現在発売中のロッキング・オン4月号では、レディオヘッドのインタビューを掲載!
以下、本インタビューの冒頭部分より。
「『ザ・ベンズ』を作った理由は覚えてない。あの作品にどんな感情を持ち込んだのか全然覚えてないんだ。それってよいアルバムの証だと思う」
「もう勘弁してくれよ! 僕は、誰かがこれを聴いてリストカットするために、このアルバムを作ったわけじゃない!」
トム・ヨークがどう思おうと『ザ・ベンズ』は今や、この世紀末的絶望文化の一部になってしまっている。それは18時のニュースでも、ガーディアン、デイリー・ミラー、ザ・サン、タイムズといった大手紙でも取り上げられ、そしてラジオでは1時間おきに収録曲がプレイされる。
『イン・ユーテロ』、『ホーリー・バイブル』、『ザ・ベンズ』——これが三度目で最後の、沈みゆく者たちのための祈りだ。
《もう階段を登れない/どこもかしこも欠け落ちている/抗うつ剤/鎮痛剤/四つん這いで這いずり回る……会話も途切れがちになっていって……内側からすべてが崩れ落ちる/ただ座って、まだ愛し合えることを願うだけ……叫び出すのはお前だ……まともに振る舞おうとしても、生きたまま喰い尽くされる……すべてが壊れている》(“Bones”〜“High And Dry”〜“Sulk”〜“Planet Telex”)
「これはあなたの去年の日記ですね? これがあなたの日常?」
「僕の毎日なんかじゃない。僕の人生じゃない。この歌詞は自己実現的予言じゃないし、『ザ・ベンズ』は僕の懺悔じゃない。愚行や戯言の補助として使ってほしくないんだ。これは自己憐憫の言い訳じゃないんだよ。誰かの鬱についてなんて知りたくもない——もし手紙を送ってきたら怒りを込めて返信するよ。『そんなクソみたいなものに屈するな!』ってさ」
「バンドとして活動を始めてから最初の5年間、ずっと、ほぼ南部ばかりをプレイして回っていたんだよ」
トムがナイフでワイングラスをコツコツと勢いよく叩く。深く息を吸い込む。明らかに、かなり苛立っている。そして吐き捨てるように彼が言う。「黙れ、クソ喰らえ。ザ・スミスの昔の作品でも買ってろ。僕たちの音楽なんか、お前には何の役にも立たない!」
もし『ザ・ベンズ』が、ぬるま湯に浸かりながらカミソリ片手に手首の疼きを治めようとする男の最後のため息ではないのだとしたら——では、この圧倒的な重み、精神を押し潰すような衝撃はどこから来るのか? 嫌悪感。内面化された嫌悪感。レディオヘッドについて語る者が向き合うのは、突き詰めればそこに行き着く。トム・ヨークは、絶望に取り憑かれたカート・コバーンやリッチー・エドワーズのような“ロックンロールの殉教者”ではない。(以下、本誌記事へ続く)
レディオヘッドの記事の続きは、現在発売中の『ロッキング・オン』4月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。
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