10月6日、渋谷O-WEST。
THE FOREVER YOUNGのワンマンライブで、フロアには数えきれない拳が突き上げられた。
ライブを盛り上げるためのものなんかじゃない。
その拳には、怒りも、悔しさも、悲しみも、言葉にならない感情も、全部が詰まっていた。
報われなかった日々や、飲み込んできた悔しさを、たった一瞬でも世界にぶつけるための武器であり、「俺はここにいる」とお互いに確かめ合うための証明だった。
ステージに立つエバヤン4人とフロアには境界があったはずなのに、見ていた景色は同じだった。
満たされない者たちで満たされた空間は、あまりにも美しくて優しかった。
幸いなことに、人生は最短距離で効率よくゴールを目指す競技じゃない。
息が切れるような短距離走みたいな毎日でもいい。
泥まみれでも、不器用でも、ペース配分がぐちゃぐちゃでもかまわない。
今この瞬間、「ああ、生きてる」って思えるなら、それだけで生きる価値がある。
物分かりのいい大人になんて、なってたまるか。
不器用なまま、まっすぐ生きる勇気をくれるバンド、THE FOREVER YOUNGを、俺はこれからも信じていく。(古閑英揮)