前回のアコースティックライブに参加できず悔しい思いをしていたのだけれど、そこで培ったのであろうオーガニックな呼吸が、音にもリズムにもパフォーマンスにも息づいていて、天井の高いホールの包みこまれるような音の響きと素晴らしい照明演出によって、まるで異世界に迷い込んだような体験だった。
初期曲も最新曲もあるオールタイムベストなセットリストで、原曲のアレンジはバラバラなのに、天才的なジャムセッションのインタールードを経てすべてがグラデーションのようにシームレスに繋がっていく。その先に待ち構えていた本編ラストのコールアンドレスポンスの穏やかさ、優しさ、美しさたるや! 前日ぐっすり寝て体調も声もテンションも絶好調な内田怜央は、「変な音楽がもっとあってもいいと思う」と言っていたけれど、「こんなに美しい変な音楽はほかにないよ!」と叫びたくなったライブだった。
ホールツアーを経て年明けに開催される「Kroi Arena Tour 2026」、たぶん今年のぴあアリとはまったく違った見せ方になるんじゃないかとめちゃくちゃ期待している。(畑雄介)