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前作『FOREVER DAZE』から約4年ぶり。現体制で初のアルバムであり、メジャーデビュー20周年を飾る作品。そこにフワッと短く『あにゅー』と名づけるところが、新鮮なようで元来の彼ららしい。1曲目が今作で最もヘヴィな、でも『news zero』テーマ曲である“命題”というのも尖っている。その後もバンドサウンドで畳み掛け、特に《アジカンとエルレとバンプを爆音で流してさ》とギターポップ全開で歌う“MOUNTAIN VANILLA”は最高。そして歌詞には《生きてりゃ 色々あるよな》と年相応のリアルが刺さる“筆舌”をはじめとして本音が詰まっている。音も言葉も聴き手と距離が近いのだ。RADWIMPSが時代の真ん中に立って幾年も経つが、本質は隅っこの僕らと変わらないと久々に思った。《それでもあなたには 笑っててほしいの/これを超えるような願いが/どこにも見当たらない》と、全力で《あなた》を向く“ピアフ”のエンディングは、今こそ彼らが「僕とあなたのRADWIMPS」と自覚しているようで泣けた。(高橋美穂)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年11月号より)
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