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人は自然の前では無力だ。雨も風も、自然の流れは思い通りにならない。だからこそ、その大きな循環に身を委ねたとき、自分の小ささを受け入れられたような包容力に満たされ、心地よい脱力感が訪れる。2023年結成の5人組・スーパー登山部は、その名の通り標高3000m付近の山荘でライブを行うなど、「山」×「音楽」という独自の「ネイチャーポップ」を鳴らすバンド。3年の活動を詰め込んだ1stアルバムでは、Hina(Vo)のどこまでも澄み渡る歌声とノイズのない有機的なアンサンブルが、透き通る空気、果ての見えない登山道、頂きから広がる絶景を描き出す。《窓から拓いた未知の先へ》(“燕”)、《それぞれのペースでいいんだ》(“頂き”)、《どこまでも行けるかな》(“ハイライト”)といった表現からは、壮大な自然と対峙しているからこその俯瞰的な視点での肯定、未来へのまなざしも感じる。聴き終えた頃には、視界が晴れやかに開けるような希望が胸に宿っている。まるで山登りの疑似体験のような、唯一無二の音楽だ。(成瀬諒花)(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年8月号より)『ROCKIN'ON JAPAN』8月号のご購入はこちら
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