1年前、私たちはオアシスが再結成を果たしたことを奇跡だと思っていたはずだ。しかし本当の奇跡とは、その先に待ち構えていたものだった。ひと足先に再結成ライブを観てきた筆者は断言する。2025年のオアシスは、間違いなく21世紀最高のオアシスだ。彼らは全盛期に匹敵するパフォーマンスでスタジアムを揺らしに揺らし、現役最高のロックンロールバンドとして今再び君臨しようとしている。こんな奇跡が16年後に起こるなんて、誰も予想していなかったのではないか。
オアシスの再結成は、多くバンドの再結成がそうであるように、懐メロツアーに終わる可能性だって大いにあった。それでもチケットは飛ぶように売れただろう。しかし、オアシスは自分たちにその甘えを許さなかった。むしろ、オアシス「が」彼らに許さなかったと言うべきかもしれない。ノエルとリアムの和解の具体的な経緯は明らかにされていないが、自分たちがオアシスの名に恥じないライブが出来るという確信がなければ、彼らは決して再結成に手を出さなかったはずだ。オアシスとは自分たちだけのものではなく、オアシスを聴くすべての人々を巻き込んだみんなのものであること=普遍的なロックンロールのレガシーなのだという兄弟の信念が、彼らの再結成をかくも高みへと登らせたのだと思う。
16年前、ロッキング・オンは「さらば、オアシス」と題した解散特集号を作った。筆者はその特集リードの中で、「オアシスは解散しても、オアシスを終わらせることはできない」と書いた。「俺とあいつがどこで何をしていようが、オアシスは常に今ここにある」とかつてノエルが言ったように、オアシスとは終われない物語だった……はずだった。それがオアシス解散後にオアシスを聴き始めた若い世代にとって、始まりの物語になり得た……というのが彼らの再結成におけるもうひとつの奇跡であり、兄弟が口を揃えて「キッズがオアシスを蘇らせてくれた」と語るのは本心だろう。
ここでは東京ドームのウォームアップに必須のインタビュー&テキストをぎっしり詰め込んだ、徹底特集をお届けする。おかえり、オアシス! 彼らが私たちと共に新たな伝説の1ページを刻む日は、もう目前に迫っている。(粉川しの)
《特集ラインナップ》
●8月3日、ウェンブリースタジアム公演、完全レポート
●ノエル・ギャラガー超最新トーク
●オアシス徹底座談会
●ノエル×リアム楽曲解説インタビュー
●歴代rockin'onオアシス表紙号で振り返る、ビジュアルメモリアル
●全来日ツアー完全メモリアルレポート
10月7日発売の『ロッキング・オン』11月号は本日発売です。ご予約はお近くの書店または以下のリンク先より。
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