ミツキが、『ザ・ランド・イズ・インホスピタブル・アンド・ソー・アー・ウィ』以来3年ぶりとなる8作目『ナッシングス・アバウト・トゥ・ハプン・トゥ・ミー』を、2月27日にリリースすると発表した。デビュー以来、コンスタントに高評価と支持を集めてきた彼女だが、前作では「人がどう思うかを完全に気にしなくなった、初めてのアルバムだった」と語っていた。
それにもかかわらず、世界的な“現象”と呼べるほどの成功を収める。牽引したのは《この世界で私のものと呼べるものは、私の愛だけ》と歌うゴスカントリー曲”My Love Mine All Mine”だ。TikTokチャートでも1位を獲得し、初の全米シングルチャート入りを果たし最高26位を記録。ツアーも各地で即完となり、親と訪れる新世代の姿も目立った。さらに、そのツアーが映画『Mitski: The Land』として30カ国で公開され、インディアーティストとして異例の快挙も達成している。
本作は、その成功を経て発表される初の新作となる。前作同様、プロデュースはパトリック・ハイランド、オーケストラの指揮とアレンジはドリュー・エリクソンが担当し、ツアーバンドによる生演奏をフィーチャー。ロサンゼルスでレコーディングされた楽曲は、音楽的にも精神的にも前作での探究をさらに推し進め、より深く大胆な世界を開花させている。
先行シングル”Where’s My Phone?”は、ミツキの狂気がある種の解放感を伴って爆発したような楽曲だ。荒々しいドラムとギターが前面に出たサウンドは、2014年の『Bury Me at Makeout Creek』期を思わせる。一方で、不気味なオーケストラアレンジとコーラスが重なり、終盤にはファジーなギターソロが炸裂。ミツキらしいカタルシスへと一気に到達する。携帯やデジタルに満ちた外界を遮断し、《溶けた琥珀に浮かぶ虫みたいに》なりたいと願う、隠遁生活を送る女性の狂気の内面を、シアトリカルかつコミカルに描いた曲。『Nothing’s About to Happen To Me(=何も起きない)』という逆説的なアルバムタイトルも象徴している。今年のインディ作品の頂点を狙う一枚として、強烈な期待を抱かせる幕開けとなった。(中村明美)
ミツキの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』3月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。
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