一昨日、一足先に輸入盤で店頭にも並び始めたフォールズの新作『Total Life Forver』。

写真は明日から店頭に並び始めるという輸入盤のデラックス・エディション。
ご好意でお送りいただいた。で、この2枚目のボーナス・ディスクが面白い。

収録されているのは、今回のアルバムが完成するまでのデモ音源。曲というよりは、素材といったほうが正しいような、そんなトラックも収録されているのだけど、これを聴くと各楽曲の完成型に辿り着くまで、かなりの試行錯誤を行なったことが分かる。ＮＭＥのインタヴューでメンバーの一人は「この作品って実は世にも最悪なものなんじゃないかって思えた瞬間が何度もあった」と語っているが、これだけ精密にアレンジを詰めていく作業は、相当ストレスフルなものだったに違いない。

書いてて思ったのは、これ、バンドを自分でやっている人とかに是非聴いてほしい。最初のシンプルなデモから最終型に飛躍するまで、どうやってアレンジをしていくのか、教科書みたいなサンプルでもある。

あと、このボーナス・ディスクを聴いて思ったのは、実はこのアルバムは「ギター」アルバムであるということ。前作に較べると、完成型ではギターが少し後ろに下がっているが、曲作りの中心となったのは、デモを聴くと、ギターだったことがよく分かる。

少し元気のない最近のＵＫギター・ロック・シーンだが、一人気を吐く画期的な作品だと思う。（古川）