現在発売中のロッキング・オン12月号では、セイント・ヴィンセントのインタビューを掲載!
以下、本インタビューの冒頭部分より。
●2025年、年明け早々に行われる初のフェスティバルで来日することになりましたが。
「私はとにかく、日本に行くのが大大大好きだから。日本で演奏するのも大好きだし」
●あなたは、2022年のサマーソニックをはじめ、コンスタントに来日してくれています。ローディとして10代の頃に初めて日本に来たそうですが、日本への思い入れはありますか?
「言い出したらキリがないけど、日本文化の全てが好き(笑)。日本の人達も、日本食も、買い物も。日本の人達が職人技に重きを置いているところが特に好き。芸術的なものからニッチなものに至るまで、最高のものにしたいと拘っている。思いが込められているし、時間をかけているのが分かるし、詳細にまで気を使っている。アメリカでは、そういうことは失われてしまったと思う」
●あなたは最新作をスペイン語版で発表しますが、それは南米の観客の熱狂にインスパイアされてのことだったそうですね。日本のショーでとりわけ思い出に残っているものはありますか?
「もちろん。『Strange Mercy』時に来日してクラブでライブをしたんだけど、会場があまりに熱狂的だったから、私がクラウドサーフして、そしたらものすごく盛り上がって、最高に楽しかった。日本の観客は、心から音楽が好きで来てくれるのが分かるし、もちろん曲も熟知してくれている。自分で音楽を作っている人やアーティストもいっぱい来てくれたんじゃないかと思う。だからライブをしている時に、私達の間で、すごく美しいコミュニケーションが生まれていて、私の作品を受け取った日本の観客と、会話をしているような気分になった。これからアーティストになるような世代の人達もいたと思うし」
●今回のフェスの出演者でとりわけ好きなアクトはいますか?
「すごく良いラインアップだと思う。プライマル・スクリームはクールだと思うし、パルプが大好き」
●最新作『All Born Screaming』は、前作『Daddy's Home』とは全く違う作品になりました。それをライブで再現するのも、アルバム作りとはまた違う体験なのではと思います。前回のツアーではブロンドのカツラをかぶっていましたが、今回のツアーのコンセプトは、何ですか? インタビューで、アーティストのフェリックス・ゴンザレス=トレスなどに影響を受けたと語っていましたが。
「『Daddy's Home』のツアーは、ショーの内容も、私のルックスも、アルバムそのものを象徴していて、あの作品はアイデンティティについてであり、私自身が“ダディ”(父)になり切るということだった。私には、代理人が存在して、その人に変貌をすることで、自分を癒している、というものだったの。だけど、今作は、もっとストレートで、人生と、死と、愛について描いた作品だった。アイデンティティを分析するというものではなくて、生と、死と、愛、それだけ。それを表現するのは、私の中では、白と黒であり、それ以外の色は燃える火だけ。生きていることと、死んでいること、は二択でしかない。生きているか、死んでいるか、しかないでしょ。今回のツアーは、私そのものを表現する、生々しくて、リアルなものになった。仕掛けもないし、自分を隠したりしてない。セットは、(フランシスコ・デ・)ゴヤの『黒い絵』に、大きな影響を受けたし、ロバート・ロンゴや、ソフィー・リケット、フェリックス・ゴンザレス=トレスなど、ビジュアルアーティスト達から影響を受けた。彼らは、80年代、90年代に、NYでエイズなどを生き延びたアーティスト達で、今回のプロジェクトでは、なぜかそういうアーティスト達の作品に共感した。コンセプトは、仲が良いアレックス・ダ・コルテという偉大な現代アーティストと一緒に作ったんだけど、彼は日本でも少し前に展覧会をやったばかりで、その作品のひとつに私も起用されている。カツラをかぶって、片目の猫を抱えているの(注:2023年4月29日〜9月18日、金沢21世紀美術館で開催された『Alex Da Corte Fresh Hell アレックス・ダ・コルテ 新鮮な地獄』)。アレックスが私に、『さあ、怖がって!』などと言うから、猫を抱えて演じていたの(笑)
(以下、本誌記事へ続く)
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