“Messy”が世界中で共感を呼びバイラルヒット──ローラ・ヤングとは何者か?

“Messy”が世界中で共感を呼びバイラルヒット──ローラ・ヤングとは何者か?

【今月の気になるあいつ】ローラ・ヤング

ロンドン出身、24歳のSSW。2021年にブリット・アワードのライジング・スター候補に選ばれ高い評価を得た。2024年5月にリリースしたシングル“Messy”がTikTokで話題になり、世界中で自身初のチャートインを果たす。同年6月には2ndアルバム『This Wasn't Meant for You Anyway』をリリース。そしてタイラー・ザ・クリエイターのアルバムへの参加でさらなる注目を集めた。R&Bとソウルをベースにした独自のスタイルとハスキーな歌声が魅力。


現在発売中のロッキング・オン4月号では、「気になるあいつ」にてローラ・ヤングを掲載しています。本記事の一部をご紹介。



《だってあたし、めちゃくちゃだって言われたり、ちゃんとしすぎって言われたり/仕事探せってあんたが言ったくせに、いったいどこ行ってたんだって訊いてくるし》
24年、TikTokで大バズりしたローラ・ヤングの“Messy”のコーラスでFワード交じりに歌われるのは、(やや意訳しつつだが)そんな感じの内容だ。けっして相手の期待通りにならない若い女性——それが、この歌で彼女が負っているキャラクター像だろう。その「相手」とは、恋人かもしれないし友人かもしれない。親かもしれないし世間かもしれないし、もしかしたらリスナーやファンであるかもしれない……。

2001年生まれロンドン出身のローラ・ヤングは、そのぶっきらぼうで反抗的な佇まいも含めて注目を集める新星だ。率直な物言いがたっぷり入ったリアルな歌詞と、生々しいメランコリーを醸すハスキーボイス。エイミー・ワインハウスやリリー・アレンの登場時とよく比較される理由は、音楽性だけでなく自身の存在や感情をそのまま世にさらけ出すようなキャラクター性にもあるだろう。うまくいかない恋愛や失恋相手への反発を表現する歌として、おもに若い女性のリスナーから人気を集めた“Messy”は、そんな彼女のパーソナリティがダイレクトに感じられる決定的な一曲である。

と同時に、自分が「Messy(めちゃくちゃ)」であることをモチーフとしたこの曲は、ADHD(注意欠如・多動症)のアンセムでもあるとヤングは説明している。彼女は10代で統合失調感情障害であると診断されたことを公にしているが、つまり、“Messy”では世間が良しとするルールや枠に合わせられない人間としての自身を正直に表現しているのだ。不完全な自分を受け入れようともがくこの曲は、痛快さと物悲しさが不思議なバランスで両立している。そういった意味でも、彼女は現代的なアイコンである。


続きは、『ロッキング・オン』4月号で! ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

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