北アイルランドの風雲児、ニーキャップの最新作『フェニアン』がついに完成――不屈の精神が刻まれた、3人のリアルな叫びとは?

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年始のrockin'on sonicで会場を沸かせた北アイルランド出身のニーキャップが、満を持してニューアルバム『フェニアン』を4月24日にリリースする。

もともと“フェニアン”は独立運動に由来し、その後イギリス側から侮辱的に使われてきた言葉。彼らはそれをあえてタイトルとして掲げることで、外部から与えられたラベルを引き受けつつ、その意味を自らの手で更新し直そうとしている。

イギリス政府関係者や政治家が彼らの発言や活動を問題視し、テロ組織支持と見なされ起訴にまで発展するなど、国家との緊張関係が現在も続いているニーキャップ。結果的に起訴は法的手続きの不備により無効とされたものの、その過程で生じた圧力や緊張は決して軽いものではなかったはずだ。

本作は、そうした状況下で、裁判やメディアの過熱から距離を取りながら制作されたアルバムである。だからこそ、振れ幅の大きな感情がそのまま音像へと変換され、エレクトロニックとヒップホップの交差という軸を保ったまま、レイヴの高揚、ポップの軽やかさ、陰影の濃いラップがせめぎ合っている。前作以上に拡張された、混沌としたダイナミズムだ。

さらに彼らは先日、対立するアメリカの制裁強化によってエネルギー不足が深刻化し、生活危機に直面するキューバへの国際人道支援船団への参加を表明したばかり。国家と対峙する姿勢は、言葉の上のものにとどまらず、現実の行動としても一貫している。とはいえ、作品は緊張感だけで貫かれているわけではない。ニーキャップ特有のユーモアは随所に息づき、跳ねるようなポップソングやレイヴ由来のパーティートラックが軽やかな抜けを生む。ダンスミュージックとしての強度が増したことで、彼らの自由さやフィジカリティはより直接的に伝わってくる。

そして何より、冒頭からアイルランド語への呼びかけを掲げるアルバム構成は、これまで以上に挑発的で扇動的だ。現実と正面から向き合いながら、その摩擦を音楽へと変換していくニーキャップの覚悟は特筆に値する。その現在地を鮮やかに刻みつけた期待のリリースまで、あと少し。心待ちにしてほしい。(つやちゃん)



ニーキャップの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』9月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

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