ロック・イン・ジャパン2016を終えて、プロデューサーとして思う事

今年のロック・イン・ジャパンは挑戦の年でした。
来た方は感じていただけたと思いますが、新しいルートと新しいステージが生まれたことによって、フェスのエリアが1・5倍くらいに拡大しました。
グラス・ステージからレイク・ステージまでの導線も格段に便利になったと思います。
実はあのルートはこれまでスタッフ導線、アーティスト導線として使っていたものです。それが参加者の方のルートになったことで、アーティストは徒歩でのステージ間移動ができなくなり、スタッフ導線もとても遠くなりました。正直、渋谷陽一65歳今年はかなり厳しかったです(笑)
でも参加者の方の利便性を考え決断しました。こうすればフェスとして、またひとつレベルを上げられる、という確信があったのです。
初日がとても楽しみでした。しかし僕たちが予想しない事態が起きてしまいました。新しいルートが認識されていないため、参加者の方がこれまでのルートに集中しまい凄い混雑が生じてしまったのです。
導線が増えるのでシーサイド・トレインも復活して、より快適なフェスを目指したのですが、シーサイド・トレイン専用の導線が出来たことで、従来の導線が狭くなったところへの人の集中が起きてしまったのです。
初日の夜、緊急の会議を行い対策を考えました。とにかく新しいルートを利用していただき、人の分散を図るしかないというのが結論でした。急きょ映像を作り、翌日の夕方からヴィジョンと陰アナで参加者の方に新しいルートの利用を呼び掛けました。
驚くほど人の流れが変わりました。
1週目が終わり、2週目までの間に渋滞の起きる導線の拡大作業をしました。
2週目からは1週目のような渋滞は起きなくなりました。初日と2日目、ご迷惑をおかけした参加者の皆さんには本当に申し訳なく思います。
皆さん待たされてもマナーよく移動していただき、とても感謝しています。
プラ柵を必死で動かしている僕に「頑張ってください」と声を掛けていただき嬉しかったです。きっとバタバタして見ていられなかったんだと思います(笑)
時間がたてば新しいルートは認識され、人の流れも落ち着いたでしょう。でも今年の4日間では無理だったかもしれません。
改めてフェスは施設だけを作っても駄目だという、今更ながらのこと学びました。そしてフェスは参加者と一緒に作るもの、といういつも我々が訴えていることを強く感じました。
大きな改革は、いろいろな課題を突き付けるものでありました。ルートを含め、より皆さんに満足してもらえるフェスにするべく頑張ります。
ネットにたくさんフェスの感想があげられています。余り多くて読みきれません。でも可能な限り読みたくて、ずっと画面に向かっています。
今年、たくさん新しく作ったオブジェが写真に撮られアップされています。何か、嬉しいを超えて感動的です。
フェスが終わると、とてもセンチメンタルな気持ちになります。それはスタッフも参加者も一緒だと思います。またあの時間に戻りたいと思ってしまいます。
僕の65歳の肉体はかなり嫌がっていますが(笑)
一年後、今年以上の夢の時間を作りたいです。是非、一緒に作ってください。
そして、その前にカウントダウンです。冬には幕張で待っています。

写真は撤収の進む今日の海浜公園です。
渋谷陽一の「社長はつらいよ」の最新記事