番組の中でも言ったが、とにかく反復される言葉がまるで生き物のように躍動し、突き刺さる。
ジャメイカでは「私にはポテンシャルがあるとジャメイカが言ってくれた」という少女時代の彼女を支えてくれた言葉が繰り返される、アンダー・ザ・テーブルでは「私は黙らない」という彼女の抵抗と怒りの決意の言葉が繰り返される、レイディーズでは「私が心を通わせられない女性がまたひとり」という、価値観を共有出来ない女性にたいする違和感が繰り返される、フォー・ハーでは「知ってるべきだと分かっているようで、どこに核心があるのか分かっていない」という男に対する厳しい言葉が繰り返される。
長い言葉も多く、反復のフレーズとして作りやすいものではないが、彼女は見事に聞き手に強く届く形に作り上げている。
とにかく語りだしたらどこまでも語りたくなる素晴らしい作品だ。
こういう作品をDJとして紹介できる喜びを感じる1時間だった。
フィオナ・アップルの新作、その核は反復される強い言葉、そしてそれを支える強いメロディー。彼女はポップ・ミュージックの何かを変えた。 今日のワールド・ロック・ナウ。
2020.06.21 18:12