The Jesus and Mary Chain


ソニック・ステージ大トリは、
ジザメリ。
大歓声に応えるように、
いや、そんなことはどうでもよさそうに、
彼らは彼らの信じてきたナンバーを淡々と繰り出していく。

かつて、彼らはロックンロールでも救われないと
言わんばかりに、
ありとあらゆる隙間に
ノイズを装填していた。
でも、聴き手の誰しもが感じたのは、
そのフラストレーションの大きさと同時に、
ロックンロールへの不器用なまでの愛だった。

そうでなければ、
ノイズの向こう側に綴られた
崩れ落ちそうになるくらいスウィートなメロディの説明がつかない。

マリンで鳴らされている
洗練の美メロと
百万光年離れたここで、
ハウリングの不快さの中でしか生きられない
ロックンロールの美が轟いている。

(宮嵜広司)