音楽もフットボールも遊びじゃない

ウカスカジー『AMIGO』
2014年06月11日発売
ALBUM
桜井和寿とGAKU-MCのタッグが、W杯開催の2014年に照準を定めたアルバムが完成である。冒頭の“ウカスカアンセム”のギターソロから布袋寅泰が参加、他にもDJ FUMIYAやスキマスイッチの常田真太郎などがゲストで登場という祝祭感に酔いすぎてはいけない。このアルバムの本質は、ふたりが掲げる「音楽とフットボールはコミュニケーションに於いて同義である」という思想を徹底的に体現することにあるからだ。だから、遊びとかお祭りとかの前置き関係なしに、ミスチルと変わらぬフルパワーで歌いまくる桜井の姿があり、それに全身全霊のラップで応えるGAKU-MCがいる。歌詞は全曲どこかにフットボールの隠喩があり、その上で曲調はJ-POP王道のさくらソングからタオル回しまくりの高速ダンスチューンまでポップなヴァラエティがずらりと揃う。この完成度の高さが、好きだから夢中でやってるだけだというプリミティヴな肉体性と完璧に両立しているのが恐ろしい。練習を極めたトップ選手のプレイがアートになる境地、ふたりにはきっとそこしか見えてなかったはずだ。(松村耕太朗)