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アルバム『SLITS』以来、約1年半という短くない時間を経たからか、ここまでに溜め込んできた想いを一言一句に託してていねいに歌っているように聴こえてくる。それはバンドにも伝播し、ストリングスやホーンを重ねた華やかな演奏も、勢いより洗練を感じる。まさに今のYUKIは《あたたかい光 集めてる》状態で、それを《君にひとつあげる》ということで、この“Share”を作ったんだろうな、と思えるのだ。劇場アニメーション『この本を盗む者は』主題歌というテーマはあったにせよ、《風を運ぶ電車に揺られ》《アスファルトの水玉模様》なんてイマジネーションを掻き立てるフレーズは、紛れもなくYUKI節。歌声には不変の節回しも覗く。さらに、幾つもの赤い糸=運命を握りしめる神様みたいなことをしながら、キュートなチェックのミニワンピースをまとっているジャケットにも、自然体な姿勢が表れている。散文的な歌詞も象徴的だけれど、歌声やビジュアルも含めて「今のYUKI」を一つひとつ縫い合わせたような誠実な作品。(高橋美穂)(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年2月号より)
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