今やライブハウスでキッズをモッシュ＆ダイブに誘い込む代表格となったBIGMAMAによる、待望の２ndアルバム。柔らかな歌声と流麗なバイオリンが際立つダイナミックな楽曲と、独特の視点が広げられた物語のような歌詞。この二本柱によって成り立つ彼らの世界観は、今作でも突き詰められている。しかし、このように言わばアーティスティックな手法で描かれたドリーミィな世界観が、一歩引いて感嘆してしまうような別次元のものではなく、躊躇なくダイブ＆モッシュできる、キッズにとって身近なものになり得ているのは、とても興味深いことだと思う。もちろん、ライブでの開けたパフォーマンスに因るところもあるだろうけれど、今作を聴いて思ったのは、“Cinderella〜計算高いシンデレラ〜”で“カノン”のフレーズが導入されていることが最も象徴的なように、ドリーミィな楽曲の中にも、必ず何かしら耳馴染みのある要素が取り入れられているところが大きいのではないだろうか。≪100均≫なんて歌詞も然り。こういう、彼らの奥深さがもっと注目されてもいいのにな、と思わずにはいられない。（高橋美穂）