音と映像で語る7年間

空想委員会『空想録(二〇一一‐二〇一八)』
発売中
ALBUM
3月31日のヒューリックホール東京でのワンマンツアーファイナル公演をもって現体制での活動を終了する彼らの歴史を2CDとDVDでコンパイル。DISC 1にはメジャー期、DISC 2にはインディーズ期の主要曲を時系列に、DVDには3公演のライブ映像を10曲、恒例のジャケット撮影メイキング映像、メンバー3人がお酒を酌み交わしながら活動の振り返りと今後のビジョンを語り合う約1時間にわたる映像を収録するという、リスナーとの関係を大事にしてきた彼ららしいサービス満点の内容だ。

人懐っこくもありながら陰のあるメロディに乗るのは、その時々の三浦隆一(Vo・G)の思考や心情がリアルが反映された歌詞。このベスト盤ではひとりの青年の変化や成長を一挙に味わえる。それは楽器隊も同様で、テクニックや音色、アレンジや作曲センスなどが磨かれていることが顕著だ。最新曲“エール”はまさに彼らの活動の金字塔とも言うべき代表曲になったと言っていい。だからこそ大海原へと旅立つ彼らが、どんな姿で我々の前に戻ってくるのか、思いを巡らさずにはいられなかった。(沖さやこ)