傑作アルバム『UNSER』から3ヶ月というスパンで届けられるニューシングル。表題曲は3月6日に劇場公開される映画『仮面病棟』(監督:木村ひさし/原作:知念実希人)の主題歌であり、予告編では謎がまた新たな恐怖を呼ぶスリリングな物語のスピード感と、“AS ONE”の曲調が見事に嵌っていた。《善人も容易く悪人に 悲しみと喜びの区別もつかぬほど麻痺してく》といった歌詞は映画作品に寄り添うものではあるけれど、多様な価値観や言葉の裏表が入り乱れて絶え間なく浴びせかけられるタフな現実とは、我々が今まさに生きている日々に他ならない。正気を失いそうな情報の氾濫を掻い潜って生きる、そんなメッセージを汲み取ることもできるナンバーだ。不穏なビートとラップから始まるこの曲が、感情の激流のようなメロディ歌唱へと変化する様は、極限状態で弾き出された意志の迸りそのもの。獰猛なエレクトロニックサウンドがふんだんに盛り込まれた
UVERworldの楽曲は、しかしどこまでも人間臭い響き方をしている。各パートのリードにパンチを効かせたカップリング曲“Spreadown”も強烈。(小池宏和)