開演時間の16時30分を少し過ぎたあたりで場内が暗転しておなじみのSEが流れると、ステージ背面のスクリーンにはこれまでのライブの映像が映し出される。さすがに「若いな……」と思うような映像もたくさんあり、それはBRAHMANが30年の歴史を重ねてきたからこそ実感できることでもある。と思っていたら、先にKOHKI(G)、MAKOTO(B)、RONZI(Dr)がステージに現れる。3人が音を鳴らし始めてからTOSHI-LOW(Vo)が登場し、歌い始めたのは“真善美”。この曲の最後にTOSHI-LOWが「まだ俺たちは終わるっていうことを知らない。必ず来る終わりっていうことをまだ知らない。なのに、いつか必ず、その終わりが来る」と、人生もバンドも終わった経験がない人間として、終わりが来ることについて語る。「4時間後、ここに立っているかどうかはわからねえ。あんたらもそうだ。でも、そんなこた知ったこっちゃねえよ。ずっと全力でやってきたんだ。さあ、幕が開くとは終わりが来ることだ。一度きりの意味を俺たちが問う。六梵全書、30年分のBRAHMAN始めます!」と告げた。
それができる、やろうとするRONZI、MAKOTO、KOHKIのすさまじさ。BRAHMANはとにかくTOSHI-LOWの存在に目がいきがちだけれど、BRAHMANがBRAHMANたり得てきたのはこの3人がBRAHMANであり続けてきたからだと思った。TOSHI-LOWについていくんじゃない、TOSHI-LOWと対等でいることができる、この世に3人しかいない存在。曲が終わってメンバーが楽器を放り投げてステージから去っていくと、新曲“順風満帆”のMVがスクリーンに映し出され、来年のアルバムのリリースとツアーの開催が発表された。ちょうど4時間。始まるまでは長いと思っていた4時間は本当にあっという間だった。それはTOSHI-LOWが最初に言っていたように、1曲1曲のストーリーであり、1秒1秒の積み重ねだったから。
それはこの日ステージで休憩全くなしの4時間のライブをやり切った4人が最後に笑顔を浮かべていたから。その姿は化け物でも怪物でもない、我々と同じ人間だったから。でもやはりBRAHMANはただの人間じゃなくて、究極に人間臭い人間だったのだ。(ソノダマン)
●セットリスト
「六梵全書 Six full albums of all songs」
2024.11.4 神奈川・横浜BUNTAI
01. 真善美
02. 雷同
03. EVERMORE FOREVER MORE
04. AFTER-SENSATION
05. 其限
06. 今夜
07. 守破離
08. 怒涛の彼方
09. 不倶戴天
10. ナミノウタゲ
11. 天馬空を行く
12. 満月の夕
13. 初期衝動
14. 賽の河原
15. 今際の際
16. 俤
17. 露命
18. 空谷の跫音
19. 遠国
20. 警醒
21. 最終章
22. JESUS WAS A CROSS MAKER
23. 鼎の問
24. 霹靂
25. 虚空ヲ掴ム
26. THE ONLY WAY
27. SPECULATION
28. EPIGRAM
29. STAND ALOOF
30. SILENT DAY
31. ONENESS
32. HANDAN'S PILLOW
33. YOU DON'T LIVE HERE ANYMORE
34. CAUSATION
35. FIBS IN THE HAND
36. 逆光
37. KAMUY-PIRMA
38. THE VOID
39. BASIS
40. SHADOW PLAY
41. DOUBLE-BLIND DOCUMENTS
42. SHOW
43. GOIN' DOWN
44. SEE OFF
45. CHERRIES WERE MADE FOR EATING
46. BOX
47. DEEP
48. NO LIGHT THEORY
49. 時の鐘
50. FROM MY WINDOW
51. FAR FROM...
52. BED SPACE REQUIEM
53. SLIDING WINDOW
54. THAT'S ALL
55. THERE'S NO SHORTER WAY IN THIS LIFE
56. CIRCLE BACK
57. NEW SENTIMENT
58. LOSE ALL
59. Z
60. A WHITE DEEP MORNING
61. TREES LINING A STREET
62. HIGH COMPASSION
63. LAST WAR
64. MIS 16
65. (a piece of) BLUE MOON
66. BYWAY
67. PLASTIC SMILE
68. PLACEBO
69. ANSWER FOR…
70. ARRIVAL TIME
71. FOR ONE'S LIFE
72. TONGFARR
73. FLYING SAUCER
74. BEYOND THE MOUNTAIN
75. ARTMAN
76. 順風満帆 Music Video
●リリース情報
アルバム『viraha』
2025年2月26日(水)発売
●ライブ情報
「BRAHMAN tour viraha」
2025年3月18日(火) 神奈川・CLUB CITTA'
2025年3月23日(日) 新潟・NIIGATA LOTS
2025年3月25日(火) 石川・金沢EIGHT HALL
2025年3月29日(土) 青森・Quarter
2025年3月30日(日) 岩手・盛岡Club Change WAVE
2025年4月5日(土) 宮城・Rensa
2025年4月11日(金) 京都・磔磔
2025年4月13日(日) 兵庫・神戸Harbor Studio
2025年4月15日(火) 岡山・CRAZYMAMA KINGDOM
2025年4月17日(木) 島根・アポロ
2025年4月19日(土) 香川・高松MONSTER
2025年4月20日(日) 愛媛・WStudioRED
2025年4月22日(火) 岐阜・柳ヶ瀬アンツ
2025年5月22日(木) 愛知・DIAMOND HALL
2025年5月24日(土) 大阪・なんばHatch
2025年5月25日(日) 広島・HIROSHIMA CLUB QUATTRO
2025年5月28日(水) 北海道・CASINO DRIVE
2025年5月30日(金) 北海道・札幌PENNY LANE24
2025年5月31日(土) 北海道・小樽GOLDSTONE
2025年6月5日(木) 福岡・DRUM LOGOS
2025年6月7日(土) 熊本・熊本B.9 V1
2025年6月8日(日) 鹿児島・CAPARVO HALL
2025年6月12日(木) 東京・Zepp Haneda(TOKYO)
2025年6月19日(木) 栃木・HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
2025年6月21日(土) 福島・郡山HIP SHOT JAPAN
2025年6月27日(金) 静岡・LiveHouse 浜松 窓枠
2025年7月4日(金) 山梨・甲府Conviction
2025年7月12日(土) 沖縄・桜坂セントラル
提供:NOFRAMES recordings / TACTICS RECORDS
企画・制作:ROCKIN'ON JAPAN編集部