ACIDMAN presents「SAITAMA ROCK FESTIVAL “SAI”」/さいたまスーパーアリーナ

ACIDMAN presents「SAITAMA ROCK FESTIVAL “SAI”」/さいたまスーパーアリーナ - All photo by 三吉ツカサAll photo by 三吉ツカサ
「こんなに素晴らしいバンドたちが俺らの世代にはいて、こんなに素晴らしい音をずっと鳴らし続けてるんだなって思ったし。そして、こんなに素晴らしい人たちが、スーパーアリーナに来てくれたんだって、ずっと感動しております。ありがとうございます!」
ACIDMAN・大木伸夫(Vo・G)の万感の言葉に、さいたまスーパーアリーナ2万2000千人の観客の熱い拍手喝采が巻き起こる――。

結成20周年アニバーサリーイヤーの集大成としてACIDMANが開催したのは、地元・埼玉の大会場=さいたまスーパーアリーナを舞台とした一大ロックフェス、「ACIDMAN presents SAITAMA ROCK FESTIVAL "SAI"」だった。
出演バンドのほとんどが20年レベルのキャリアを誇るという強者揃いのフェスだからこそ描き出せる、タフで揺るぎないロックの地平が、そこには確かに広がっていた。
ACIDMAN presents「SAITAMA ROCK FESTIVAL “SAI”」/さいたまスーパーアリーナ

開演時間の11時の時点で満場のたまアリにはトップバッター:10-FEETが登場。“RIVER”の《流れゆく河》のフレーズを ♪流れゆく川越〜 や ♪流れゆく利根川〜 にアレンジしてみせたり、そのまま“VIBES BY VIBES”、“1sec.”を畳み掛けつつ「今日出演してるバンドの中で、ACIDMANと一番仲が良い10-FEETです!」というTAKUMA(Vo・G)のコールで会場をでっかく沸かせていく。
「宇宙の遠い銀河、何万光年離れた星から見れば、俺や大木は同じ生き物に見えて……」とTAKUMAが大木口調のMCを繰り広げたり、終盤にはメンバー3人それぞれがACIDMANのメンバーに寄せた帽子姿で“赤橙”のカバーを披露、そのまま“goes on”に流れ込む――と最高の幕開けを飾ってみせた。そんな中、“ヒトリセカイ”の前の「人間は喧嘩がヘタクソやなあ。言葉があるからかな?」という言葉に滲んだ憂いの色は、10-FEETとACIDMANの間の真摯なる通奏低音のようにも思えた。

続いてはMAN WITH A MISSION! いきなり“FLY AGAIN”で会場激震の熱狂空間を生み出すと、「人間ノミナサマ、コンニチハ!」のジャン・ケン・ジョニー(G・Vo・Raps)の煽りから“Get Off of My Way”、“DANCE EVERYBODY”を連射、たまアリ丸ごと一面のタオル風力発電所状態に叩き込んでいく。
「ミナサマ、声ヲオ聴カセクダサイ!」と観客一丸の♪ウォーオオオオーオー のシンガロングを呼び起こした後、「本日ノ対バンノ並ビノ中デハ、オソラク我々MAN WITH A MISSIONガ、ACIDMANト一番年数ガ浅インデスヨ」とジャン・ケン。「デモ、ミナサマト一緒デス。モウ20年間、彼ラヲ追ッカケテマイリマシタ。『アンナバンドニナリタイ』ッテ。蓋ヲ開ケテミタラ、全然違ウバンドニナッテマシタ(笑)」――そんな言葉とともに最後に響かせた“My Hero”が、この場所への何よりのオマージュとして広がっていった。

「ACIDMANとはデビュー当時からの付き合いで、もう16年〜17年ぐらい一緒にライブをやったり、ものすごく頼もしい仲間としてお付き合いさせてもらってます」と語るTHE BACK HORN・松田晋二(Dr)。さらに続けて「これからもきっと、ずっとお互い刺激し合いながら、音楽を作っていくと思います!」とまっすぐに宣誓する言葉からは、ともに切磋琢磨してきた盟友バンド同士の逞しい絆が垣間見えて、思わず嬉しくなった。
“空、星、海の夜”をはじめ“光の結晶”、“コバルトブルー”、“声”、“刃”……といった渾身の選曲で、自らのキャリアをこの特別な1日のために高純度凝縮するような濃密なアクトを展開してみせたTHE BACK HORN。「THE BACK HORNも、来年20周年を迎えることができます」という山田将司(Vo)の言葉とともに披露した最新曲“グローリア”が、ACIDMANとTHE BACK HORNそれぞれの道程を祝福するように鳴り渡った。

ACIDMANより一足早く昨年結成20周年を迎えたASIAN KUNG-FU GENERATIONは、まさに20周年アニバーサリー盤として再レコーディングに臨んだ名盤『ソルファ』から“サイレン”、“Re:Re:”、“リライト”を立て続けに演奏。この祝祭空間とACIDMANへ向けられたアジカンからの粋なメッセージと言うべき1曲1曲がアリーナ&客席をがっつり揺らし、“リライト”で一面のコール&レスポンスを巻き起こしていく。
「(大木が)帽子取ったの見たことないでしょ? 俺もずいぶん付き合い長いけど、見たことないもん。今日はハトか何か出すんじゃない?」という後藤正文(Vo・G)の言葉に会場が沸いたところで、「なかなかないでしょ? 20年だよ? すごいよね。とにかく楽しく、愉快にね!」と最新シングル“荒野を歩け”、さらに“ソラニン”、“今を生きて”まで、力強くロックシーンを切り開き、その真っ只中を闊歩してきたアジカンの足跡そのもののようなアクトを見せてくれた。

“The Flare”から紅蓮のアンサンブルをたまアリ狭しと轟かせ、“Storm Racers”、“Monkeys”とアグレッシブなナンバーを次々と繰り出し、その研ぎ澄まされた楽曲と音像の力で広大な空間を一気に支配してみせたthe HIATUS。「ACIDMANと最初の出会いは、名古屋のちっちゃいライブハウスだったのが、いつの間にかこんなに、2階まで人がいる――こんな日が来るとは思ってなかったです」とACIDMANとの日々を感慨深げに回想する細美武士(Vo・G)の言葉に、満場の拍手が広がる。
「今日この会場に揃っているすべての同世代のバンドマンに捧げます!」と細美&伊澤一葉(Key)のふたりで響かせた“Little Odyssey”の透徹した美しさ。“Insomnia”で巻き起こった《Save me》の圧巻の大合唱。「こんな面子を集められるのは、あいつらしかいないような気がするんで。よければまたやってください!」という細美のエールに続けて流れ込んだ“Lone Train Running”、“紺碧の夜に”が、この上ない開放感とともに鳴り渡った。

「ACIDMAN、20周年、さいたまスーパーアリーナ。全力でお祝いするのは俺たち、BRAHMAN始めます!」――“THE ONLY WAY”から“賽の河原”、“BASIS”へ、と観る者すべての魂をレッドゾーンへ導く熾烈な爆演を叩きつけていったBRAHMAN。後半の“ANSWER FOR...”からはTOSHI-LOW(Vo)がピットに乱入してオーディエンスの頭上に仁王立ち、割れんばかりの歓声が沸き起こる。
「大木の帽子の中には、宇宙が入ってるんだ」というTOSHI-LOWのMCに一瞬笑いが巻き起こったが、「あの2011年3月11日以降、ミュージシャンが固く口を閉ざしてる中、あいつは原発のこと、戦争のこと、平和のことを、上品な言葉でちゃんとみんなに伝えてくれて……あの帽子の中には、こんなものが入ってるんだよ」と続けた言葉に、感動の拍手喝采が一面に広がっていく。「大木伸夫からのリクエスト! この歌を選ぶなんて、やっぱり仲間想いだと思う」と最後に響かせた“今夜”では細美武士も舞台に登場。珠玉の歌が会場の隅々まで染み渡った。

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