「ロックンロールの未来」のすべててがここに。『明日なき暴走』奇跡の50周年盤!

「ロックンロールの未来」のすべててがここに。『明日なき暴走』奇跡の50周年盤!

「私はロックンロールの未来を見た。その名はブルース・スプリングスティーン!(I saw rock and roll future and its name is Bruce Springsteen!)」、あまりにも有名なこの言葉は、盟友であり映画『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』でも重要なパートを担ったジョン・ランダウ(米国の音楽評論家、レコードプロデューサー)が、音楽ライター時代の70年代半ばに書いたもの。

自分もブルースのサードアルバム『明日なき暴走』を聴いた時は、その言葉に納得がいった。『アズベリー・パークからの挨拶』(73年)、『青春の叫び』(73年)とそのソングライティングと歌いっぷりに入れ込んでたものの、アルバム『明日なき暴走』の完成度は桁違いで、捨て曲なし、汗と熱気が飛び出してくる迫力に驚いた。その頃、すでにライブのすごさは噂にはなっていたものの、当時は観ることなんか出来ず、ある時レコード会社にライブフィルムが届いたというので慌てて観に行ったことも忘れられない。

そんな特別なアルバム『明日なき暴走』の3枚組、日本独自企画による50周年記念盤が、なんとボスからのクリスマスプレゼントとして12月24日にリリースされた。ディスク1が全8曲の本体で、世界初となるSACD-HYBRIDの高音質盤、そして気になるディスク2、3は75年12月12日、NY近郊にあるロングアイランド大学C.W.ポスト校という収容人員3千人ほどの会場でのライブで、これは壮絶だ。

ピアノ伴奏&ハープの“涙のサンダー・ロード”でじっくりと始まり、初期の代表曲がずらりと並び、まさにこれを体験したかった、悔しいのひと言だ。“凍てついた十番街”や“ロザリータ”“7月4日のアズベリー・パーク”の名曲群にも泣かされるが、驚異的なのは、セットリストにもなくリハーサルもやったことのないアニマルズの“イッツ・マイ・ライフ”の豪快パフォーマンスで、ボスに完璧に寄り添うマイアミ・スティーヴ(リトル・スティーヴン:G)やクラレンス・クレモンズ(Sax)をはじめとしたEストリート・バンドにも魅せられる。まさにこの時点でのロックンロールの未来が、ここにはあった。(大鷹俊一)


ブルース・スプリングスティーンの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』2月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

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