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THE BACK HORNといえば、山田将司の生命力溢れる声、ヒリヒリと焼けつくような熱いバンドサウンドをイメージする人がほとんどだろう。そんなイメージを自ら覆してみせるのが、結成25周年を記念したアルバム『REARRANGE THE BACK HORN』だ。タイトル通り、幅広い年代の名曲たちを大胆にリアレンジ。ボサノバ調でゆるいムードな“冬のミルク”、ジャジーに変貌した“幾千光年の孤独”、タイトル通り渋いブルースに仕上がった“ファイティングマンブルース”、ビッグバンドサウンドが妖艶な“罠”など、予想外のアレンジが次々と飛び出してくる。メンバーの遊び心と音楽的なスキルを存分に堪能するとともに、改めて浮き彫りになっているのが、言葉とメロディの強さだ。シンプルな音像の中で肩の力を抜いた山田将司の歌によって、人間の本質を突く歌詞と土着的な情緒が匂い立つメロディの個性がより色濃く心に染み入る。結成から25年、芯はブレないまま、熟成したバンドの包容力に酔い痴れた。（後藤寛子）（『ROCKIN'ON JAPAN』2023年8月号より抜粋）
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