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強烈なファズギターを際立たせた重怠くも透明感のあるサウンドプロダクションの妙に、再生して即座に心を奪われる。オルタナからグランジへと連なった80年代末~90年代のサウンドを今日的にリバイバルしてみせているブロンドシェルやスネイル・メイルといった海外の作家たちとのシンクロニシティを感じずにいられない音像で、ヴァース~ブリッジ~コーラスを繰り返しながら歌唱と演奏の抑揚によりドラマを描いていく手法も完璧に堂に入っている。NMEにインタビューが掲載されたばかりだが、まだまだ世界的な存在へと上り詰めていってもなんらおかしくないはず。また、CDには同曲のインストの他、約1分半のAnime ver.、English ver.、Acoustic ver.が収録されており、聴き比べることで曲作がどう普遍的で詞作がどう優れておりアレンジでどう飛躍させているからこのマジカルな仕上がりに至っているのかがよく理解できる。最高のバンドの最強の今を正しく伝える、名刺代わりにして表彰状のようでもある1枚である。(長瀬昇)(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年10月号より抜粋)
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