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すでに配信リリースされているアニメ『SAKAMOTO DAYS』のオープニングテーマ“走れSAKAMOTO”と、同作のスペシャルエンディング曲として書き下ろされた“Somebody help us”をカップリングしたシングル。“走れSAKAMOTO”が曲名といいイントロからサビに至るまでの加速力といい、主人公のかっこよさを正々堂々とアニソンロックにした「表側」だとしたら、“Somebody help us”はその「裏側」にある憂いと哀しみを歌うダークサイドである。どんよりとした解像度の低いギターのサウンドとかそれと不釣り合いなタンバリンの音はオアシス的ともいえるし、延々とループするリフが醸し出す陰鬱としたムードはニルヴァーナ的ともいえるが、いずれにしても90年代のロックを下敷きにしつつVaundyは《Somebody Help Us/悲壮のフランチャイズみたい》と歌う。“走れSAKAMOTO”の突破者感もVaundyらしいが、こちらの曲の諦念にも似た醒めた視点もどうしようもなくVaundyだ。(小川智宏)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年4月号より抜粋)
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