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歌詞、メロディ、サウンド――そのすべてにおいて進化を発揮した1stフルアルバムから半年の月日を経て届けられた本作。一段と骨太に、色鮮やかになったバンドサウンドによって1曲1曲のメッセージは磨き上げられ、ヤングスキニーは進化し続けるバンドだということを高らかに宣言している。最大のヒット曲“本当はね、”に代表されるように恋愛ソングのイメージが強い彼らだが、本作に収録された“愛すべき日々よ”では目の前の大切な人たちと関わり合い、お互い歩み寄りながら生きていきたいというかやゆーの実直な願いが響く。自分だけが可哀想だと思ったほうが楽なのに《あの時ウザかったあいつも多分きっと》と思ってしまう――そんな冷静な視点が《そう思うとなんかちょっとはマシに見えた》という救いに繋がるが、前を向くにはそう思うしかないという諦めのようにも聴こえる。白黒つけられないのが現実だし、それをそのまま描くから信頼できる。誰かを救おうとか思っていない彼らだからこそ届けられる歌が好きだ。(竹内ほのか)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年11月号より抜粋)
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